ZENシリーズ第3世代
MM/MC両対応フォノイコライザー「ZEN Phono 3」
ZEN Phonoは2020年秋の発売以降、大変多くの方にご愛顧いただき、据え置きフォノイコライザーの定番機種となりました。この度、全面刷新を行い、第3世代へと生まれ変わります。全面刷新では、見た目が洗練されただけでなく、内部にも大きな更新が加えられています。
特徴
■反ったレコードのためのAIサブソニックフィルター
従来のサブソニックフィルターは、反ったレコードから出るゴロゴロしたノイズと楽曲に必要不可欠な低域の両方にフィルターをかけてしまうことで、音楽性を損なうことがよくありました。しかし、ZEN Phono 3のAIサブソニックフィルターは、音楽の完全性を保ちながら反りによるノイズを選び取って除去し、アーティストの意図したとおりにすべての音が聴こえるようにする、卓越した新しい基準を打ち立てます。
通常のサブソニックフィルターは賢くありません。iFi AIサブソニックフィルターは、この2つの違い、反りによる低域ノイズと音楽の低域を認識し、反りによるノイズだけを取り除き、楽曲の低域はそのまま残します。
■レコードを正しく聴く
ほとんどのレコードは逆RIAA(録音)イコライザーでカッティングされており、再生時にはそれを元に戻す必要があります。ZEN Phono 3のRIAA(再生)イコライゼーション・カーブは、±0.15dBという驚異的な公差であり、真実で正確な音楽再生を可能にします。
また、ZEN Phono 3は、EIN(入力換算ノイズ)-151dBVを誇り、これは-131dBVのいくつかのトップクラスのフォノイコライザーよりも-20dB静かです。ZEN Phono 3は、電源回路専用の隔離された「アイランド」に最新鋭1.2MHz電源を搭載しているため、増幅段にノイズを混入させることはありません。
■オーディオグレードパーツの集合
ZEN Phono 3のバランス回路には、エントリーレベルの設計としては異例な品質の表面実装部品が使われています。例えば、コンデンサーにはTDK C0G、muRata積層セラミック・タイプ、Panasonic ECPUポリフェニレンサルファイド・フィルム・タイプなどが使用されています。いずれも安価ではありませんが、クラスをリードするESL(等価直列抵抗)と、高い安定性と低歪みといった個々のパーツ特性は、音質とRIAAイコライザーの精度の面で大きな利点をもたらします。
ZEN Phono 3は、多くのiFi製品と同様にカスタムOVシリーズ・オペアンプ、今回は OVA2637を内蔵しています。このオペアンプは超低歪み(0.0001%)であり、価格破壊的なオーディオ性能にも大きく貢献しています。
■クリーンな電源
市販されている最高のフォノイコライザーは、ノイズを加えることなくカートリッジからのオーディオ信号を増幅するために、家庭用電源から発電機のように独自の電源を作り出しています。
ZEN Phono 3は、この目的を達成するために、従来の方法ではなく、家庭用電源の周波数の約20,000倍である1.2MHzスイッチング周波数の電源を生成します。この回路では、定格10uFのフィルター・コンデンサーが、低域では200,000uFに相当します。電源回路は回路基板上の隔離された「アイランド」に配置され、オーディオ信号が汚染されることはありません、単にとてもクリーンな+/-12V DC電源なのです。
■ゲイン設定と新しい負荷調整
ZEN Phono 3は、ゲイン設定に関して例外中の例外です。36dBから72dBまでの幅広いゲイン設定を実現し、例えはるかに高価なフォノステージであっても印象的な機能です。ゲイン設定は、36dB(MM)、48dB(高出力MC)、60dB(低出力MC)、72dB(超低出力MC)の合計4種類です。これにより、ZEN Phono 3は、珍しいスペックのMCカートリッジにも対応することができるのです。
ZEN Phono 3の新機能は、フロントパネルにある洗練された負荷調整ボタンです。これは、ゲイン設定とは独立して、負荷容量と負荷抵抗の設定を変更できます。MMとMC Highでは2つの容量負荷設定(100pF/200pF)があり、MC LowとMC V-Lowには3つの負荷抵抗設定(100/400/1kOhm)があります。このようなカスタマイズはこの価格では前例がなく、ユーザーはZEN Phono 3とカートリッジをベストマッチさせることができます。
■豊富な接続
ZEN Phono 3のリアパネルには、信号伝達を最適化するために金メッキが施された一般的なステレオRCA入出力に加え、フォノイコライザーでは珍しい4.4mmバランス出力が装備されています。これは、ZEN CANに搭載されているような4.4mmバランス入力、または4.4mmバランスからXLRへの変換アダプターを介してXLRバランス・ライン入力を備えた機器に接続するために使用できます。
これにより、ZEN Phono 3のバランス回路を最大限に生かしたフルバランス接続が可能になります。この価格帯でバランス出力機能を提供するフォノイコライザーは他にありません。ターンテーブルのアース線を接続することで、ハムノイズの原因となるグラウンドループの問題を回避できます。
ZEN Phono 3は、音の透明性を確保するために設定の切り替え方法さえも設計されています。設定が変更されたときだけ「起動」するマイクロコントローラーによって処理され、音に悪影響を及ぼす電子ノイズを回避しているのです。
■より高品位なオーディオ再生を実現するために
ZEN Phono 3には、一般的なACアダプターが付属いたします。より高品位なオーディオ再生を実現するために、オーディオ用ACアダプターの使用が効果的です。ACアダプターは別売のiFi audio iPowerIIや、TOP WING TW-TAC1が適合いたします。
■主な特徴(※ZEN Phono 3の更新点)
- ・MM/MCカートリッジ両対応:36dBから72dBのゲイン・負荷抵抗・負荷容量可変設定により、幅広いカートリッジとの互換性を確保※
- ・AIサブソニックフィルター搭載:一般的な低域を削るフィルターではなく、音楽ではない反りによって生じる超低域のみを賢く除去
- ・圧倒的ローノイズ=EIN(入力換算ノイズ)-151dBV:一部のトップクラスフォノイコより20dBVをも上回るスーパー・サイレント・ノイズフロアを保証
- ・正確なRIAAイコライザーとバランス出力は1000 USDクラスの製品の性能に匹敵
- ・内部回路は最新鋭1.2MHzスイッチング電源により動作:仮想的な動作は伝説的な真空管フォノアンプのLCフィルターに相当
仕様説明
フォノ入力 |
RCA |
ライン出力 |
4.4mmバランス、RCA |
最大定格出力 |
4.4mmバランス |
19.98V RMS 100kΩ(THD + N <1%)
12.75V RMS 600Ω(THD + N <1%) |
RCA |
10.07V RMS 100kΩ(THD + N <1%)
7.94V RMS 600Ω(THD + N <1%) |
出力インピーダンス |
200Ω(バランス)、100Ω(RCA) |
負荷抵抗・負荷容量 |
MM/MC High:47kΩ、100pF/200pF(切り替え可能)
MC Low/MC/V-Low:100Ω/400Ω/1kΩ(切り替え可能) |
ゲイン設定 |
MM |
36dB |
MC High |
3.5mm |
MC Low |
60dB |
MC V Low |
72dB |
SN比(バランス2V/RCA1V出力時) |
MM |
96dB(A-weighted) |
MC High |
84dB(A-weighted) |
MC Low |
89.6dB(A-weighted) |
MC V Low |
78.6dB(A-weighted) |
EIN(入力換算雑音) |
MM |
-127dBV(A-weighted) |
MC High |
-129dBV(A-weighted) |
MC Low |
-149.6dBV(A-weighted) |
MC V Low |
-150.6dBV(A-weighted) |
全高調波歪み率 |
MM |
-91dB |
MC High |
-80dB |
MC Low |
-70dB |
MC V Low |
-73dB |
周波数特性 |
20Hz-20kHz(+/-0.15dB)、20Hz-80kHz(+/-3dB) |
入力電圧 |
DC 5V/0.5A(センタープラス)、AC 100 -240V、50/60Hz (同梱の電源アダプターを使用) |
消費電力 |
無信号時〜1.5W、最大信号時〜1.8W |
サイズ |
158×115×35mm |
重量 |
456g |
付属品 |
ACアダプター、RCAケーブル |
メーカー保証 |
1年 |
※製品の仕様、外観などは予告なく変更されることがありますので、予めご了承ください。