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ESOTERIC - ESSG-90231(SACDソフト マーラー:交響曲 第6番 悲劇的)《JP》【12月20日発売予定・ご予約受付中】

商品コード : ESSG-90231
製造元 : ESOTERIC
メーカー希望小売価格(税抜) : 3,611
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何も足さない。何も引かない。
マーラーの音楽の本質のみをダイレクトに提示したブーレーズとウィーン・フィル最上の成果
 
感情移入から作品を解き放ち明晰さで勝負する指揮者

ピエール・ブーレーズ(1925-2016)は、20世紀後半から21世紀初頭にかけて音楽史及び演奏史に重要かつ個性的な足跡を残したフランスの作曲家・指揮者です。パリ音楽院でメシアンらに学び、セリー形式の作品を作曲し、ダルムシュタット現代音楽講習会で注目を浴びる一方で、指揮者としては1950年代から現代音楽アンサンブル「ドメーヌ・ミュジカル」を組織して活動を開始。1967年からジョージ・セルのもとでクリ―ヴランド管弦楽団の首席客演指揮者をつとめ、以後同管音楽アドヴァイザー、ニューヨーク・フィル音楽監督、BBC響首席指揮者を歴任し、さらに1977年にはIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)設立に関わりその初代所長を務めました。ブーレーズが指揮者としての名声を確立したのは、ドビュッシー以降の近代〜20世紀音楽において、過度の感情移入から作品を解き放ち、一つ一つの音に徹底的にこだわり、細部まで緻密かつ明晰な解釈を施すことで整然と立ち現れてくる作品像を提示する手腕によるものといえるでしょう。そして時に冷徹ささえをも感じさせたその演奏解釈を世界の音楽ファンに伝えたのが1966年に開始され1980年代初頭まで継続された米CBSへの膨大な録音でした。
 
一皮むけた1990年代以降のブーレーズによるマーラー

IRCAM所長を1991年に辞したブーレーズは、IRCAM時代に封印していた世界各地のオーケストラへの客演を再開し、時を同じくしてドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、CBSへの録音で定評のあったレパートリーを中心に再録音を開始します。ドビュッシー、ラヴェル、新ウィーン楽派、バルトーク、ストラヴィンスキーなどお得意の作曲家の体系的な録音にエネルギッシュに取り組み始めました。ブーレーズの演奏解釈も、緻密でクリアな音のリアリゼーションはそのままに、70年代までのCBS録音の冷厳なとげとげしさに代わって繊細さやふくよかさを体得し、年相応の円熟味や風格を感じさせるものへと変化を遂げていったのです。その「1990年代以降」のブーレーズが力を注いだのが、CBS時代にはごく一部しか取り上げなかったマーラーの交響曲の全曲録音でした。1994年の第6番から2010年の第10番アダージョまで、16年という年月をかけ、ウィーン・フィル、シカゴ響、クリーヴランド管、ベルリン・シュターツカペレという4つのオーケストラを振り分けて完成させた全集は、最円熟期ともいうべきブーレーズの代表盤といっても過言ではないでしょう。ブーレーズにとってマーラーは決して新しいレパートリーというわけではなく、1970年代からBBC響やニューヨーク・フィルで定期的に取り上げ、1976年にはニューヨークでマーラー・フェスティヴァルを開催しています。1990年代のブーレーズが取り組んだマーラー演奏にはそうした1970年代からの着実な演奏の積み重ねが、円熟味を加えて結実したものでもありました。
 
相乗効果をもたらしたウィーン・フィルとの共演

その第1弾となったのが、今回Super Audio CDハイブリッド化されるウィーン・フィルとの交響曲第6番「悲劇的」です。1994年5月の第9回定期とウィーン芸術週間の3回の公演の合間を縫ってムジークフェラインザールでセッション収録されたものです。ブーレーズの指揮のもと、マーラーの交響曲の中でも最も強面で、しかも人間の生・愛と死をテーマとするなど感情的な面でも極めてパワフルな作品であるこの第6番「悲劇的」が、むしろ古典的な4楽章形式の作品として整然と鳴り響くさまは爽快なほど。しかもウィーン・フィルの歌心と色彩感に溢れたサウンドは、第1楽章や第4楽章のクライマックスなどでどんなに音楽が密集しても決して混濁しない明晰な透明感を保ち、濃厚なウィンナ・ホルンの咆哮、チャーミングなオーボエやクラリネットなどが随所に花を添えています。第4楽章で打ち鳴らされる木槌(ハンマー)の打撃(全集版に従って2回)も突出せずあくまでも音楽的な範囲にとどまっているのもブーレーズならでは。いわば指揮者・オーケストラ両者の長所が相乗効果となって結実した演奏といえましょう。ブーレーズとウィーン・フィルとの初共演は1962年、つまりブーレーズが指揮者としての活動に力を入れ始めた頃に遡りますが、その時点では相思相愛とはならず、再共演はその30年後の1992年まで待たねばなりませんでした。これ以降は定期的な共演が続き、2003年にはウィーン・フィルの舞踏会の開幕演奏にも招かれているほどの蜜月関係となります。カラヤンとバーンスタインを相次いで失った1990年代のウィーン・フィルにとってブーレーズは、常連だったメータやアバド、マゼールよりも年配の世代の指揮者として、いわば守護神的な存在となったと思われますが、その出発点がこのマーラーの交響曲第6番であったといえるでしょう。
 
最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現

ウィーン・フィルの本拠地ムジークフェラインザールでの収録を手掛けたのは、ドイツ・グラモフォンのヴェルナー・マイヤーとライナー・マイラード(1990年DG入社。現在はエミール・ベルリナー・スタジオ社長)というヴェテランと気鋭のコンビ。ライヴではなくマイクのセッティングが自由なセッション収録ということもあって、ムジークフェラインらしい暖色の豊かな響きの中で、スケールの大きなオーケストラ・サウンドが捉えられています。マーラーが随所で使用したチェレスタやカウベルといった隠し味的な響きも遠近感を保ちながらもきっちりとした輪郭をもって再現されているのは、ブーレーズの見事なオーケストラ・バランスのコントロールとその意思を組んだエンジニアリング側のバランスづくりの相乗効果の賜物。初出以来何度も再発売されている名盤ですが、今回は初のリマスタリングとなります。今回のSuper Audio CDハイブリッド化に当たっては、これまで同様、使用するマスターテープの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。特にDSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターとに、入念に調整されたESOTERICの最高級機材を投入、またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化することができました。
 
■「この交響曲の理想的な演奏」

「ここには過度の思い入れはない。デフォルメもエンファサイズもない。たとえば第1楽章の有名なアルマの主題などもごく自然に歌われる。同じウィーン・フィルの演奏でも、熱く勢い込んだバーンスタインの演奏とは好対照をなす。ブーレーズは部分、部分の個別に意味にこだわるよりも、そうしたエピソードのひとつひとつとはとりあえず距離を置いて、部分と部分のつながりに、その連続性に、つまり曲の仕組みに気を配る。(……)また終楽章の精緻にして自然でスムーズな音楽の流れはどうだろう!とりあえず作曲家と作品に距離を置いてどこまでも音楽の論理の中で脈絡をつけようとする姿勢だ。だがしかし、それにもかかわらず指揮者と演奏者たちの体温がそのまま伝わってくるような、この演奏の得も言われぬ人間味はどこから来るのだろう!」
日本初出盤のライナーノーツより

「この交響曲の理想的な演奏である。ライヴでは、おそらくこんなに鮮やかには聴こえてはこないだろう。複雑な構造の綾を見事に解き明かし、ハイビジョン映像でもみるかのごとくクリアに描き出す。しかも大編成のオーケストラの響きの厚みから遠近感まで写しとってしまうのである。そうした解析度の高さ、解釈の精緻さに以前は冷たさを感じたものだが、この演奏でのブーレーズにはそうした要素はあまり感じられない。むしろ歌いまわしの自然さ、雄弁さが際立ち、エモーショナルな流れにも熱っぽさがよく出ているように思われる。とくに第4楽章後半のゾクゾクするような表現は迫真的。冴え冴えとした美しさとともに、凄味を感じさせるマーラーだ。」
『ONTOMO MOOK クラシック名盤大全 交響曲編』1998年

「〈レントゲンで透かして見せるかのよう〉とも評されたブーレーズならではの冷徹な分析が冴えわたると同時に、演奏全体に豊かな広がりと温かみが加わっている。ブーレーズ自身の言葉を借りれば、作品への〈距離と近しさ〉を併せ持つ演奏ということになろう。それはブーレーズ円熟の成果にほかならないのだが、ウィーン・フィルを指揮した演奏であることの意味も大きい。このオケが持つ美しく歌うことへの本能から生じる自然な歌心と情感が、ブーレーズが編み上げてゆく知的で論理的な音楽構造の狭間から滲み出してくるのだ。この曲の理想的な名演だ。」
『最新版 クラシック名盤大全 交響曲・管弦楽曲編[上]』2015年
 
収録曲 / 詳細
 
グスタフ・マーラー(1860-1911)
交響曲第6番 イ短調 「悲劇的」
エルヴィン・ラッツ校訂による国際マーラー協会全集版(改訂版)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ピエール・ブーレーズ
 
DISC 1
 [1] 交響曲第6番 イ短調 「悲劇的」
 第1楽章 アレグロ・エネルジーコ、マ・ノン・トロッポ 激しく、しかし気骨をもって
 [2]  第2楽章 スケルツォ 重々しく
 [3]  第3楽章 アンダンテ・モデラート
 [4]  第4楽章 フィナーレ ソステヌート〜アレグロ・モデラート〜アレグロ・エネルジーコ
 
詳細
 録音 1994年5月、ウィーン、ムジークフェラインザール
 初出 4458352(1995年3月15日)
 日本盤初出 POCG‐1848(1995年3月25日)

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