オーディオ逸品館.JP ESOTERIC - ESSG-90297(SACDソフト ラヴェル ボレロ、バレエ《マ・メール・ロワ》、スペイン狂詩曲、海原の小舟、道化師の朝の歌)《JP》【在庫有り即納】
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ESOTERIC - ESSG-90297(SACDソフト ラヴェル ボレロ、バレエ《マ・メール・ロワ》、スペイン狂詩曲、海原の小舟、道化師の朝の歌)《JP》【在庫有り即納】

商品コード : ESSG-90297
製造元 : ESOTERIC
メーカー希望小売価格(税抜) : 3,637
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ESOTERIC 名盤復刻シリーズ紹介リンク

ブーレーズ&ベルリン・フィルの初録音となった記念碑的なラヴェル

エソテリックによる名盤復刻シリーズ SACDハイブリッドソフト

ESOTERIC(エソテリック)は、エソテリックによる名盤復刻シリーズとして Super Audio CDハイブリッド・ソフト 3作品「ブラームス ピアノ協奏曲 第1番・第2番」「ビゼー 《カルメン》組曲、《アルルの女》組曲 グノー 《ファウスト》から バレエ音楽、ワルツ」、および「ラヴェル ボレロ、バレエ《マ・メール・ロワ》スペイン狂詩曲、海原の小舟、道化師の朝の歌」を販売開始致します。

ラヴェル ボレロ、バレエ《マ・メール・ロワ》 スペイン狂詩曲、海原の小舟、道化師の朝の歌

ドイツ・グラモフォンがダーレムのイエス・キリスト教会で行われたブーレーズとベルリン・フィルの久々の共演をセッションで録音したアルバムを、世界初Super Audio CDハイブリッドディスク化。

過度の感情移入から作品を解き放ち明晰さで勝負する指揮者

ピエール・ブーレーズ(1925-2016)は、20世紀後半から21世紀初頭にかけて音楽史及び演奏史に重要かつ個性的な足跡を残したフランスの作曲家・指揮者です。パリ音楽院でメシアンらに学び、セリー形式の作品を作曲し、ダルムシュタット現代音楽講習会で注目を浴びる一方で、指揮者としては1950年代から現代音楽アンサンブル「ドメーヌ・ミュジカル」を組織して活動を開始。1967年からジョージ・セルのもとでクリ―ヴランド管弦楽団の首席客演指揮者をつとめ、以後同管音楽アドヴァイザー、ニューヨーク・フィル音楽監督、BBC響首席指揮者を歴任し、さらに1977年にはIRCAM(イルカム=フランス国立音響音楽研究所)設立に関わりその初代所長を務めました。ブーレーズが指揮者としての名声を確立したのは、ドビュッシー以降の近代〜20世紀音楽において、過度の感情移入から作品を解き放ち、一つ一つの音に徹底的にこだわり、細部まで緻密かつ明晰な解釈を施すことで整然と立ち現れてくる作品像を提示する手腕によるものといえるでしょう。そして時に冷徹ささえをも感じさせたその演奏解釈を世界の音楽ファンに伝えたのが1966年に開始され1980年代初頭まで継続された米CBSへの膨大な録音でした。

1990年代以降のブーレーズが自らにもたらした20世紀音楽の擁護者のイメージ

IRCAM所長を1991年に辞したブーレーズは、IRCAM時代に封印していた世界各地のオーケストラへの客演を再開し、時を同じくしてドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、CBSへの録音で定評のあったレパートリーを中心に再録音を開始します。ドビュッシー、ラヴェル、新ウィーン楽派、バルトーク、ストラヴィンスキーなどお得意の作曲家の体系的な録音にエネルギッシュに取り組み始め、これまではあまり録音してこなかったマーラーやブルックナー、R.シュトラウスなどの交響曲や管弦楽曲にも目を向けるようになりました。ブーレーズの演奏解釈も、緻密でクリアな音のリアリゼーションはそのままに、70年代までのCBS録音の冷厳なとげとげしさに代わって繊細さやふくよかさを体得し、年相応の円熟味や風格を感じさせるものへと変化を遂げていったのです。オーケストラも、IRCAM所属のアンサンブル・アンテルコンタンポランや1960年代から密接な関係を持ってきたクリーヴランド管などブーレーズ親派の団体のみならず、首席客演指揮者のタイトルを持つことになるシカゴ交響楽団や、ヨーロッパの2大名門であるウィーン・フィルとベルリン・フィルが起用され、上述の20世紀音楽の名作を中心とした新録音を続々と録音・発売していったのです。「円熟の指揮者ブーレーズと欧米の名門オーケストラによる20世紀音楽の傑作選」というプロジェクト・コンセプトはクラシック音楽ファンやメディアに熱狂的に受け入れられ、録音のリリースと並行して世界各地でのライヴ演奏も行われ、特に75歳をむかえた1995年には東京を含む世界各地で大規模なフェスティヴァルが開催されるなど、「20世紀音楽の擁護者」としてのブーレーズのイメージが改めて世界レベルで再認識されるようになったのでした。

ベルリン・フィルとの初録音

この新たなプロジェクトの中で、ブーレーズがラヴェル録音に選んだのはベルリン・フィルでした。1950年代後半に自作を中心に指揮者としての活動を開始したブーレーズは、現代音楽のメッカだったドナウエッシンゲン音楽祭やそこに出演していたバーデン=バーデンを本拠にした南西ドイツ放送響との関わりを深め、ドイツをしばしば訪れるようになります。ブーレーズがベルリンで指揮したのは1957年9月のことで、ドメーヌ・ミュジカルのアンサンブルとともに自作の「ル・メルトー・サン・メートル(主のない槌)」などを演奏しています。ベルリン・フィルを初めて指揮したのはもう少し後で、カラヤン時代初期の1961年1月にドビュッシーの《イベリア》をメインに、ウェーベルンと自作を取り上げています。その後1960年代後半から1970年代にかけては英米のオーケストラのポストを持ち、1980年代はIRCAMとの活動に集中したため、ベルリン・フィルへの客演は途切れてしまいますが、ようやく1993年3月に久々の共演が実現して大成功を収め、ドイツ・グラモフォンがその機会を捉えてセッションで録音したのがこのラヴェル・アルバムでした。組曲ではなくバレエ全曲版による《マ・メール・ロワ》に始まり、《ボレロ》で締めくくられる5曲はいずれもCBS時代に旧録音があるブーレーズお得意のレパートリー。過度な感情や思い入れを排し、ラヴェルの緻密なオーケストレーションを克明にたどり、それをそのまま実際の音にすることで、作曲家が意図したあらゆるニュアンスが湧き出るように噴出してくるかのような、実にオーセンティックな演奏と表現することもできるでしょう。

最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現

収録はベルリン・フィルの本拠地フィルハーモニーではなく、ダーレムのイエス・キリスト教会で行われました。ブーレーズ&ベルリン・フィルのラヴェルはそもそも明晰・明解な演奏であるため、分離のよいサウンドが確保できるとはいえドライな傾向が強いフィルハーモニーよりも、潤いのある響きを収録できるイエス・キリスト教会が選ばれたのは幸運でした。ブーレーズとベルリン・フィルが実際の音として立ち上げる透かし彫りのような透明感および立体感を備えたサウンドに絶妙な潤滑油としての教会の響きが加わったからです。《マ・メール・ロワ》での遠くに置かれたホルンの距離感の表出も見事で、オーケストラ全体が音を出す場面でも細かな音の動きが目に見えるような明瞭さが保たれ、静謐なパッセージでも音が痩せず、美しい音色が保たれています。ラヴェルが腐心したオーケストラのテクスチュアの繊細な重なりも十全に表出されており、これでこそ《ボレロ》での15分にわたる息の長いクレッシェンドの効果が生きるというものです。オーケストラの各パートのソロが惚れ惚れするほどの見事さでブーレーズの指揮に応えているさまが解像度の高いサウンドで再現されています。初出以来何度も再発売されている名盤ですが、今回は初のリマスタリングとなります。これまで同様、使用するマスターの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業をおこないました。特にDSDマスタリングにあたっては、「Esoteric Mastering」を使用。 入念に調整されたESOTERICの最高級機材Master Sound Discrete DACとMaster Sound Discrete Clockを投入。またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでディスク化することができました。

「ラヴェルに必要な極上の響き」
「作品を客観的に見詰めながらも、演奏の隅々にまで細やかな情趣を浸透させるようになったブーレーズ。そんな彼がベルリン・フィルから精妙な響きを引き出し、それに熟した熱っぽい情念を注ぎ込んで、なんともいえぬ見事なラヴェルを生み出している。カラヤン後のベルリン・フィルは、響きの精妙さが少し失われたような気がしていたが、しかしブーレーズはラヴェルに必要な極上の響きを再び取り戻し、いずれもスマートかつ新鮮である。中でもボレロは最初の淡白な表現から徐々にクライマックスに導いてくれる絶妙な手腕に、ただただ圧倒される。」
『クラシック不滅の名盤800』1997年
「カラヤン時代にベルリン・フィルが誇っていた響きの精妙さを、そのまま継承し、再現している趣きのあるラヴェル、曲によっては、一種の冷たさがあるブーレーズだが、ここではその恐れは皆無。その手腕を十全に発揮し、楽しませてくれる。ポピュラーなボレロは淡々と弾き出されるが、管楽器のソロが終わるあたりから興奮が次第に高まり、情熱の度を加えてクライマックスに流れ込む。その全過程はすこぶる説得力に富む。スペイン狂詩曲では、透明な響きの中に詩的幻想がにじみ出てくる。色彩的感覚と詩的幻想との見事な提携。マ・メール・ロワは、この作品の幻想性を最大限に生かした演奏。」
『ONTOMO MOOK クラシック名盤大全 管弦楽曲編』1998年
「ラヴェルがブーレーズの体質によく合うであろうことは想像に難くないところで、ニューヨーク・フィルやクリーヴランド管とも、彼は幾多もの名盤を世に出してきた。ここでオーケストラの研ぎ澄まされた精妙な響きが大きくものを言うのは当然だが、たとえばボレロなどでは、ブーレーズは持ち前の綿密な計算がそこに加わって、恐るべき相乗効果が生み出される。スペイン狂詩曲や道化師の朝の歌でも、透明な響きの中から生き生きとした情感があふれ出るのも計算のうちだ。」
『クラシック不滅の名盤1000』2007年
「ラヴェルの音楽は躊躇を許さない。マ・メール・ロワは、踊りあってのテンポであるからなおさらである。そしてブーレーズは几帳面にすべての声部を独立させて歌わせるが、そこに規律正しいだけの音楽が生まれるのではなく、ファンタジーがしっかりと感じられる。音色や声部間の音量の配分を瞬時に整理しているからに他ならない。ブーレーズがラヴェルの計算しつくされた管弦楽法を現代の耳で再構築しているからである。海原の小舟では、見事なバランスで大海原にたゆたう舟を描出しているし、道化師の朝の歌の中間部の精密で憂いを帯びた音量には絶句する。スペイン狂詩曲の響きの遊びと躍動感にも聞き惚れる。」
『最新版クラシック不滅の名盤1000』2018年
[収録曲]

◇モーリス・ラヴェル(1875-1937)

バレエ《マ・メール・ロワ》
[1] 前奏曲
[2] 第1場:紡ぎ車と踊りと情景
[3] 第2場:眠りの森の美女のパヴァーヌ
[4] 第3場:美女と野獣の対話
[5] 第4場:おやゆび小僧
[6] 間奏曲
[7] 第5場:パゴドの女王レドロネット
[8] 終曲:妖精の園
[9] 海原の小舟
[10] 道化師の朝の歌
スペイン狂詩曲
[11] 第1曲:夜への前奏曲
[12] 第2曲:マラゲーニャ
[13] 第3曲:ハバネラ
[14] 第4曲:祭り
[15] ボレロ
[詳細]

ピエール・ブーレーズ 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 1993年3月18日〜25日、ベルリン、イエス・キリスト教会
初出 Deutsche Grammophon 4398592(1994年5月)
日本盤初出 Deutsche Grammophon POCG1760(1994年5月16日)
オリジナル・レコーディング [エクセクティヴ・プロデューサー]ロジャー・ライト
[レコーディング・プロデューサー]カール=アウグスト・ネーグラー
[トーンマイスター(バランス・エンジニア)]ヘルムート・ブルク
[レコーディング・エンジニア]ヨープスト・エーバーハルト、ヴォルフ=ディーター・カルヴァトキー
[エディテイング]イングマール・ハース、ルドガー・ベッケンホフ

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