マーラー:交響曲 第2番《復活》
イゾベル・ブキャナン (S)、ミラ・ザカイ (A)
サー・ゲオルグ・ショルティ指揮
シカゴ交響楽団・合唱団
第1楽章冒頭、低弦の圧倒的な迫力! 巨匠ショルティと蜜月のコンビネーションを育んでいた超実力集団シカゴ交響楽団による極上のマーラー《復活》です。細部まで神経の行き届いた演奏はショルティならではの緻密さ。オーディオ的にも魅力満載。強音部、弱音部どちらも聴き応えのある往年のデッカ・サウンドが味わえる作品です。オリジナル・マスターからの高音質追求を徹底したニュー・マスタリングでお楽しみください。
エソテリックならではのこだわりのSuper Audio CDハイブリッド・ソフト
オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で継続して高い評価をいただいているESOTERICによる名盤復刻シリーズ。発売以来決定的名盤と評価され、現代にいたるまでカタログから消えたことのない名盤をオリジナル・マスターから進化したテクノロジーと感性とによってDSDマスタリングし、世界初のSuper Audio CDハイブリッド化を実現してきました。今回はデッカの名盤から、デジタル時代初期の名演・名録音をSuper Audio CDハイブリッドで発売いたします。
非の打ち所のない卓越したオーケストラ・コントロールを雄大なデッカ・サウンドで
アナログ時代にもマーラー交響曲全集を完成させていたショルティが、デジタル初期に挑んだ極め付きのマーラー演奏の中でも、特に優れた内容の一つがこの第2番《復活》です。機能的にも大変優れた技能集団シカゴ交響楽団との息もピッタリ。ショルティの意のままに展開されるマーラーの真髄がここに示されています。2人の女性歌手、混声合唱を加えた、いかにもマーラー的な《復活》は、長大なスケルツォ楽章を中心に壮大なスケールで描かれた、音楽ファン、マーラー・ファンはもとよりオーディオ・ファンにも多大な満足感が得られる、まさに優れたオーディオ・システムのための作品とも言えるでしょう。そのためには本来の録音が優れていることが大切。その要望に最大限応えることが出来るのが、雄大なデッカ・サウンドによる、非の打ち所のない卓越したオーケストラ・コントロールをするショルティと細部までをも表現し尽くすことが可能な実力集団シカゴ交響楽団の組み合わせ、と言えるでしょう。
1970年代以降になってやっとコンサートの定番曲になった《復活》
晩年に「やがて私の時代がくるだろう」とマーラーは言っていたほど、生前は作曲家より指揮者としての名声が高かったマーラー。彼の交響曲が広く知られるようになるまでには約半世紀もの年月を要しました。SP時代はレコードも少なく、愛弟子のワルター、ミトロプーロス、オーマンディ盤がリリースされたくらい。1948年のLPの登場以後、徐々にその数は増え始め、1960年頃からレコーディング数が急増します。1970年代の前半までにバーンスタインとショルティ、ハイティンク、クーベリックなどが活発に交響曲全集に挑みます。LPレコードの定着により可能となった長時間演奏、何よりも音質面でのレコーディング技術の向上が大きく影響していたものと思われます。いわゆるマーラー・ブームの到来です。そして本作第2番《復活》は1970年代以降はコンサートの定番曲になっていきました。
若き時代から、マーラー録音を意欲的に要望していたショルティ
ワルターやバーンスタイン、クレンペラーとともにマーラー・ブームを牽引したひとりである、ゲオルグ・ショルティ(1912-1997)はハンガリーのブダペストに生まれ、1938年にデビュー。間もなく祖国がナチスに併合されたためスイスに亡命します。指揮者としての本格的な活動は戦後の1946年にバイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任してからですが、1950年代から欧米各地で活躍して多くの録音も行ないます。彼の名声が轟くきっかけとなったのは20世紀の不滅の金字塔と呼ばれる、1958年からウィーン・フィルと録音したワーグナーの楽劇《ラインの黄金》全曲をはじめとする連作楽劇『ニーベルングの指環』からでしょう。この作品により世界的な名声に高め、さらにロンドンのロイヤル・オペラの音楽監督に就任した1961年から開始したマーラーの交響曲シリーズによって、ショルティは、自らの名声を決定づけたのでした。 ショルティのマーラー初録音は、先にエソテリック名盤復刻シリーズでもリリースされたアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との第4番でした。1955年からチーフ・プロデューサーを務めたジョン・カルショーはマーラーの交響曲に対し、ある種の拒否感覚がありましたが、ショルティのマーラーの交響曲全集録音への意欲的な要望を知りカルショーは、第4番に続き64年にロンドン響と第1番を録音します。しかし巨匠カルショーは自らレコーディングにはタッチせず、マーラー録音は若いデイヴィッド・ハーヴィーに任せます。そしてショルティはハーヴィーと共にロンドン響と66年に第2番《復活》、67年に第9番、68年第3番、70〜72年にシカゴ響と第5〜8番と《大地の歌》を録音して全集を完成させたのです。そうした経緯の後、1979年にデッカが欧米の他社に先駆けてデジタル録音を開始すると、1980年から83年にかけて60年代にシカゴ響以外と録音したマーラーの交響曲第1〜4番と第9番を再録音、シカゴ響による全集を完成させました。
往年のデッカ・サウンドがまだ息づいていた時代のデジタル録音
このマーラー録音の意義あるところは1980年代の録音であるという点でもあります。LP初期からレコード会社各社が、試行錯誤しながら自社独自のサウンドを求めていた、その名残がまだ色濃く残っている時代だからです。アメリカのCBS、RCA、ヨーロッパのEMI、ドイツ・グラモフォン、フィリップスそしてデッカ、どれもが一聴すると直ぐ分かるオーケストラ・サウンドを築き上げていました。その中でもデッカは他のレーベルとは一線を画した所謂「デッカ・サウンド」で音楽ファンのみならず、オーディオ・ファンにも絶大な支持を得ていました。重厚な低域をベースに輝くような高域まで自宅のオーディオ・システムのグレードが数倍向上したようなダイナミックなサウンドがトレードマークとなっていました。その頂点とも言える存在がショルティのレコーディングであり、シカゴ交響楽団であったのです。CD発売当初からショルティ/シカゴ響の音質は高い評価を得ていて、ゴールドCDを始め高音質CDも発売されたマーラーの交響曲第3番、“エソテリック名盤復刻シリーズ”にも登場したバルトークの《管弦楽のための協奏曲》他、など、80年代にはオーディオのデモンストレーションにも広く使用された名録音がひしめいていました。この第2番《復活》も第3番同様、初期デジタル時代のデッカを代表する録音と言えるでしょう。 そんなデッカ・サウンドですが、90年代半ば、フィリップスと統合されるようになってからは、その雄大なサウンドは陰を潜めてしまいました。時を同じくして他のレーベルも音による個性、というものが薄れてきます。デジタルの進化により、より一層コンサート・バランスを重視したニュートラルなバランスを求めはじめた、というのが理由の一つかもしれませんが…。そういう意味でも、アナログ時代から受け継がれてきた、あのデッカ・サウンドがデジタルでも踏襲されていた最後の作品、それがこの《復活》だったとも言えるでしょう。
最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現
デジタル録音によるショルティのマーラー第1作は、1980年5月にメディナ・テンプルで行われた第2番《復活》でした。ショルティの《復活》といえば、それまでロンドン響との1966年録音が名演・名録音として有名で、とくに第1楽章冒頭の低弦による主題提示部の圧倒的な迫力は初出当時大きな話題になり、オーディオ・フェアなどで機器のデモに盛んに使われましたが、この再録音はそれ以上にシカゴ響の高度な機能性と表現力を最大限に生かしたスケールの大きな表現がすばらしく、マーラーが「葬送の祭典」と言った第1楽章から第5楽章の最後の審判と神の栄光を讃える復活讃歌まで全曲、緊張感を失うことなく壮大に表現した名演です。今回のリマスターによるハイブリッド盤は、演奏と録音のすばらしさをより鮮明に味わうことができるディスクに仕上がりました。 これまで同様、使用するマスターの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業をおこないました。特にDSDマスタリングにあたっては、「Esoteric Mastering」を使用。入念に調整されたESOTERICの最高級機材Master Sound Discrete DACとMaster Sound Discrete Clockを投入。またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでディスク化することができました。
『第1楽章冒頭の低弦の迫力とリアリティは同曲中最高。シカゴ響の底力の程を痛感させられる。』
「ヴィルトゥオーゾ・オーケストラの機能を遺憾無く発揮させた一つの頂点を示した演奏だ。ここでのショルティは主観性と客観性、それに近代的なリリシズムを見事に結びつけており、完成度の高いマーラーを聴かせている。」
クラシック名曲名盤・交響曲篇・ONTOMO MOOK・音楽之友社・1998年
「第1楽章冒頭の低弦の迫力とリアリティは同曲中最高である。ロンドン響との前作に比べ細部の表現はさらに高められており、シカゴ響の底力の程を痛感させられる。両端楽章のメリハリの効いた表現は見事。ホルン、トランペットによる完璧な直線を軸にして総譜を直写した巨大なエッチングである。
クラシック・レコード・ブック・レコード芸術別冊・音楽之友社・1985年
「演奏を聴けばショルティがこのオーケストラに執着していた理由がよくわかる。オーケストレーションのみならずマーラー音楽の醍醐味や特性、さらには表現者としてのあるべき姿、何よりも熱狂的な興奮と感動など、この演奏から多大な恩恵を受けているのは私だけだろうか。」
クラシック不滅の名盤1000・音楽之友社・2007年
「シカゴ響で統一したマーラー全集を制作するため、20数年を経て録音されたこのマーラーは、それまでにショルティが蓄積してきた音楽家としての芸術性と巨大なスケールが、より一層の凄みをもって仕上がった圧倒的な名演となっている。」
旧盤ライナーノートより
[収録曲]
グスタフ・マーラー
Gustav Mahler
■交響曲 第2番 ハ短調《復活》
Symphony No. 2 in C minor, “Resurrection"
| [1] |
第1楽章: Allegro maestoso (Mit durchaus ernstem und feierlichem Ausdruck) (完全に真面目で、しかも荘厳な表現をもって) |
| [2] |
第2楽章: Andante moderato (Sehr gemachlich, Nicht eilen) (きわめて気楽に、決して急がないで) |
| [3] |
第3楽章: Scherzo (In ruhig fliessender Bewegung) (おだやかに流れる動きで) |
| [4] |
第4楽章: Urlicht "O Röschen rot!" (Sehr feierlich, aber schlicht, Choralmassig) 原光「おお 紅きばらの花よ」(きわめて荘厳に、しかし簡潔に) |
| [5] |
第5楽章: Im Tempo des Scherzo (Wild herausfahrend) - (荒野に叫ぶ者)― |
[キャスト&クレジット]
イゾベル・ブキャナン(ソプラノ) / Isobel Buchanan, Soprano
ミラ・ザカイ(コントラルト) / Mira Zakai, Contralto
シカゴ交響合唱団 / Chicago Symphony Chorus
(合唱指揮: マーガレット・ヒリス) / (Chorus Master: Margaret Hillis)
シカゴ交響楽団 / Chicago Symphony Orchestra
指揮: サー・ゲオルグ・ショルティ / Conducted by Sir Georg Solti
| 録音 |
1980年5月5-7日、メディナ・テンプル、シカゴ |
| 海外盤初出 |
DECCA D229D 2(1981年) |
| 日本盤初出 |
LONDON K25C 121/2 (1981年7月21日) |
| オリジナル・レコーディング |
[プロデューサー]ジェイムズ・マリンソン [レコーディング・エンジニア]ジョン・ダンカーリー、ジェイムズ・ロック
[Super Audio CDプロデューサー]大間知基彰(エソテリック・マスタリング・センター)
[Super Audio CDアソシエイト・プロデューサー]吉田穣(エソテリック・マスタリング・センター)
[Super Audio CDリマスタリング・エンジニア]東野真哉(エソテリック・マスタリング・センター)
[Super Audio CDリマスター] 2026年5月 エソテリック・オーディオルーム、「Esoteric Mastering」システム |
| 解説 |
浅里公三 山崎浩太郎 |
| 企画・販売 |
ティアック株式会社 |
| 企画・協力 |
東京電化株式会社 |
※製品の仕様、外観などは予告なく変更されることがありますので、予めご了承ください。