Pioneerのハイエンドオーディオを受け持つTADが久々に放つ超弩級CD/SACDプレーヤー。2010年9月に開催したPioneer&逸品館合同試聴会でメインのプレーヤーとして使いましたが、その実力は半端じゃありません。現時点でのデジタル最高解像度を軽々と実現しながら、名器と呼ばれたLHH1000/A727と同じ方向のアナログ・マスターテープを聴いているような太く、有機的な音を鳴らします。国産品とは思えない、熱い音を鳴らすこのプレーヤーをすべての音楽ファンに心からお勧めしたいと思います。
テクノロジー
音の真価を決めるのはD/A変換の精度
「音楽の感動をありのままに伝えること」。それが、TADが目指す音響哲学の境地です。その到達のために、ディスクプレーヤーとしての核心技術であるD/A変換は、究極的なまでの緻密な精度を追い求めました。D600では、D/A変換の精度を大きく左右するマスタークロックを重要視し、独自に新開発。音の真価を決定付ける開発プロセスにおいて幾度もの検証を重ね、より正確な信号の再現手法を見出しました。それは、中心周波数に近い周波数帯域におけるノイズを低減させることを実現した「超高C/N※1マスタークロックUPCG※2」。TADの理論と検証を基にした独創的なアプローチが、純粋で無垢なる音の感動を伝えます。
※1 C/N=Carrier to Noise ratio(搬送波対雑音比)
※2 UPCG=Ultra High Precision Crystal Generator
音の純度の極みを追求し、C/N※1特性に着目。「超高C/N※1マスタークロック UPCG※2」を新開発
D600には、従来に比べ50dB以上のノイズレベルを改善し、超高C/N※1特性を実現する新開発の水晶発振器を搭載。正確な音の再現性を極めるために信号の品質を表すC/N※1に独自に着目し、検証を重ねて中心周波数に近い周波数帯域のノイズを徹底的に低減。かつてないほど高純度の「超高C/N※1マスタークロックUPCG※2」により、ありのままの音を正確に再現します。水晶発振器は、高速デジタル通信基地局で使われる技術を基に、D600に最適かつ高精度、長寿命な発振器を目指し水晶メーカーと共同開発。極めて安定した高C/N※1を保ち、高い信頼性とともに低消費電力を実現しています。
※1 C/N=Carrier to Noise ratio(搬送波対雑音比)
※2 UPCG=Ultra High Precision Crystal Generator
ノイズ低減と高スルーレートを両立した「新設計オーディオ出力回路」搭載
D/Aコンバーターから出力された電流を電圧に変えるI/V変換回路の性能は、音質を大きく左右します。D600に搭載されているディスクリート型のI/V変換回路は、ノイズが極めて少なく、かつ高スルーレート(音の立ち上がりのよさ)であることを目指し新たに開発しました。ノイズ低減により優れた音場感、高S/Nを実現し、高スルーレート120V/μsを達成したアナログ出力回路により音のリズムの切れやエネルギー感、力強さが向上しています。
高性能バーブラウン製DAC「PCM1794」を採用。「並列接続差動型D/Aコンバーター」で高S/Nを獲得
高性能DACとして高く評価されているバーブラウン製「PCM1794」を1chに1チップずつ使用。並列接続でバランス型D/Aコンバーターを構成することで高S/Nをはじめリニアリティ、ダイナミックレンジなどのオーディオ性能に貢献しています。非常に歪みが少なく、力強さを兼ね備えた「並列接続差動型D/Aコンバーター」により、音楽データに含まれる微小な信号までも限りなく忠実に再現します。
重量ある鋳造アルミニウムシャーシ採用、かつてない高剛性の筐体構造を実現
ノイズの要因となる振動を抑えきることが、音質向上のために非常に重要です。D600のシャーシには、振動吸収能力の高い鋳造アルミニウムを採用。内部には重量のある6mm厚銅メッキ鋼板を配し、振動制御と低重心化を図っています。高剛性と低振動を兼ね備えた2層構造シャーシは振動を最小限に抑え、内部のメカなどが受ける音質的な影響を徹底排除しています。また、6mm厚銅メッキ鋼板は、グランドの低インピーダンス化にも寄与し、高S/Nで安定した音楽再生を可能にしています。
プレーヤー本体部と電源部を完全分離。2筺体設計で振動や信号の影響を徹底排除
プレーヤー本体部と電源部を完全分離。電源部からメカ部やオーディオ回路部への振動や漏洩磁束の影響を完全に排除することで、音質の飛躍的な向上を実現しています。また、この2筐体設計により、電源と本体が一体化された構造では叶わなかった、電源トランスや整流回路を妥協なく大容量化することを可能としています。
「3点支持スパイク構造」により、接地面からの振動を抑え、高い安定性と制振性を確保
重量のあるシャーシ全体を強力に支え、かつ下部からの振動の伝播を遮断するために、鋳造アルミニウム製の3点支持スパイクを採用しました。剛性が極めて高いスパイクにより、筐体が接地面から受ける振動を徹底的に抑制する制振性とともに、常にがたつきのない高い安定性を実現。D600の高音質再生を足元からしっかりと支えています。
パワーアンプに比肩する大容量400VAの電源トランスを搭載し、優れた応答性能を発揮
電源の安定度の高さやレスポンスのスピード感を獲得するためには、強力な電源トランスが求められます。D600は、様々な電源容量での試聴を重ね、プレーヤーとしては破格の400VAという電源トランスを採用し、パワーアンプに比肩する大容量電源供給を可能にしました。いかなる大信号や信号変化にも優れた応答性能を発揮し、力強い駆動を実現します。
TAD独自の高剛性CD/SACDメカニズムを新たに設計し、高精度、高安定性を実現
高精度で正確な再生を極めるために、CD/SACDメカニズムにもTAD独自のこだわりと工夫を凝らしています。新設計の高剛性CD/SACDメカニズムは、金属軸受けを採用した高精度ローディング機構により、制振性に優れた動作を実現。無限系光路を採用したピックアップ部は高安定動作と高い読み取り精度を誇ります。また、ディスクトレイ部は高度な技術が要求されるアルミ削りだし加工により、振動を抑える高い剛性を実現。トレイに配した特製黒色シートはレーザー光の乱反射を抑え読み取り精度を高めるとともに、制振性にも貢献しています。 アルミ削りだしディスクトレイ
D/Aコンバーターユニットとしても高精度な性能を発揮する「DACモード」搭載
D600は、D/Aコンバーターユニットとしても高い性能を発揮します。「超高C/NマスタークロックUPCG」と「サンプリングレートコンバーター」の組み合わせで、外部からのデジタル入力信号を極めて正確にD/A変換。また、PCからデジタル出力した音源を再生することも可能。サンプリング周波数192kHz/24bitにまで対応し、ハイサンプリングの高品位音楽ソースも楽しめます。
■ マスタークロック用発振器の配線に金メッキ同軸コネクター、 高音質セミリジット同軸ケーブルを採用した高純度伝送
精密なブラシレスDCサーボモーターを採用、 ブラシによる摩擦などがなくノイズ低減と長寿命を両立
■ CD/SACDメカ部にも「高C/Nクロック」を搭載し、ジッター低減、高音質性能を向上
■ 発振器を用いない感圧式のタッチキーやスタティック点灯方式のLED表示を採用し、 高周波ノイズが音質に与える影響を徹底排除
■ CDフォーマットを超えたハイサンプリングの高音質再生を実現する 「デジタルアウトプット(サンプリング周波数88.2kHzのアップコンバート出力)」を搭載
TAD-D600 仕様(spec)
アナログ音声出力
出力端子/バランス出力:XLRステレオ1系統、アンバランス出力:RCAステレオ1系統
出力レベル/バランス出力:450 mVrms(1 kHz、−20 dB)、アンバランス出力:220 mVrms(1 kHz、−20 dB)
周波数特性 CD:4 Hz〜20 kHz、SACD:4 Hz〜40 kHz
S/N 115 dB
デジタル音声入出力
・バランス入力端子/XLR1系統
・同軸入力端子:RCA1系統
・バランス出力端子/XLR1系統
・入力サンプリング周波数/32 kHz〜192 kHz
・出力サンプリング周波数/44.1 kHz、88.2 kHz(CD)
電源 AC 100 V、50 Hz/60 Hz
消費電力 32 W
待機時消費電力 0.5 W
外形寸法
本体部:450 mm(W)×185 mm(H)×440 mm(D)
電源部:220 mm(W)×185 mm(H)×430 mm(D)
質量 本体部:26.5 kg、電源部:13.0 kg
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