バレエの神様・フィストゥラーリと名門コンセルトヘボウ管の邂逅が生み出した「白鳥の湖」の最高傑作。ケネス・ウィルキソン+ゴードン・パリーが捉えた奇跡のデッカ・サウンド。
20世紀最高のバレエ指揮者・アナトール・フィストウラーリの歴史的名盤
20世紀最大のバレエ指揮者の一人として知られた、キーウ生まれのアナトール・フィストゥラーリ(1907.8.20〜1995.8.21)。フィストゥラーリのバトンが生み出す色彩感豊かな響き、生き生きとした推進力のあるパルス、そして何よりも美しく優雅な趣をたたえた演奏は、特に録音を通じて世界中の音楽ファンに高く評価されていました。録音もアリアの伴奏や協奏曲の伴奏まで含めるとかなりの数にのぼり、バレエ全曲盤も数多く録音していますが、1961年にコンセルトヘボウ管弦楽団を指揮して録音したこの「白鳥の湖」は、いまだにフィストゥラーリの名を録音史に留めている輝かしい名盤で、バレエ全曲から13曲が抜粋されたオリジナルのハイライト盤。フィストゥラーリと名門コンセルトヘボウによる唯一の共演盤でもあり、日本でも、LP時代から繰り返し発売されほとんどカタログから消えたことがない人気アルバムで、弊社Super Audio CDハイブリッドシリーズ(ESSD-90019)でも2009年に発売いたしました。
濃厚・芳醇なコンセルトヘボウ・サウンドの再現
1961年といえば、ベルナルト・ハイティンクがヨッフムとの双頭体制でコンセルトヘボウ管の首席指揮者に就任した年であり、同年2月にはデッカによるステレオ・セッションが行われ、ショルティ指揮のマーラー交響曲第4番(これも名演・名録音として知られる)とともに、この「白鳥の湖」ハイライト盤が録音されています。デッカはモノラル時代にはコンセルトヘボウ管の録音を数多く行っていましたが、ステレオ録音はこの1961年の2枚が初めてでした。ハイティンク時代にはフィリップスへの録音が活発化していくため、デッカがハイティンク指揮のショスタコーヴィチ交響曲録音でコンセルトヘボウ管との録音を再開する1980年代まで、このアルバムはデッカによる数少ないコンセルトヘボウのステレオ録音として珍重されました。名プロデューサー、レイ・ミンシャルのもと、ケネス・ウィルキンソン、ゴードン・パリーというデッカ・サウンドを支えた2人の名エンジニアが収録に関わり、チャーミングな木管、輝かしく豊麗な金管、そして何よりも豊かな陰影を湛えた弦楽セクションなど、コンセルトヘボウの個性的な響きを立体的に、明晰に収録した奇跡的な名録音です。
現在考え得る最高の状態でアナログレコードに
今回のアナログレコード制作にあたっては、オリジナルマスターより、新たにアナログレコード専用のマスタリングを行いました。マスタリングにあたっては、新たに構築した「Esoteric Mastering」を使用、入念に調整されたESOTERICの最高級機材Master Sound Discrete DACとMaster Sound Discrete Clockを投入。またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、徹底して高音質化を目指したマスターを作成しました。
アナログ・カッティングは、ミキサーズラボ社にて、アナログ最盛期の名機、ノイマン社製カッティング・レースVMS80を使用しました。同機はアナログレコード最盛期に西ドイツで製造され、現在日本国内では2台しか稼働していません。アナログ・カッティング用マスターの送り出しには、「Esoteric Mastering」の機材を使用。ミキサーズラボ社のご協力を得て、カッティングルームに「Esoteric Mastering」の機材を持ち込み、出力をノイマン社製カッティング・コンソールSP79Cにダイレクトに接続。コンソールのイコライザーを使わずに、「EsotericMastering」サウンドをそのまま、カッティング工程へ送り込みます。カッティングは、ミキサーズラボ社のカッティング・エンジニア 北村勝敏氏。匠の手腕をマスター盤に注ぎ込んで頂きました。
現在では、レコード・プレス用のマスター盤カッティングのみで、試聴のためだけにラッカー盤をカッティングする事は稀ですが、エソテリックでは音質を追及するため、コンソールへの伝送方式を変えながら複数のラッカー盤を作成しました。作成した複数のラッカー盤は、エソテリック・マスタリング・センターへ持ち帰り、ESOTERICのアナログターンテーブルGrandioso T1で試聴・音質確認を行い、最適な伝送方法を決定しました。
上記のように徹底して、アナログの音にこだわりを込めて作成しました。その結果オリジナルマスターのもつ情報を伸びやかなサウンドでアナログレコード化することに成功しています。
[収録曲]
◇ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)
■バレエ「白鳥の湖」作品20(ハイライト)
|
[Side A] |
[1] |
序奏(モデラート・アッサイ) |
第1幕 |
[2] |
第1曲:情景(アレグロ・ジュスト) |
[3] |
第2曲:ワルツ |
[4] |
第8曲:杯の踊り(テンポ・ディ・ポラッカ) |
第2幕 |
[5] |
第10曲:情景(モデラート) |
[6] |
第11曲:情景(アレグロ・モデラート) |
[7] |
第13曲d:4羽の白鳥の踊り(アレグロ・モデラート) |
[Side B] |
第2幕 |
[1] |
第13曲e:パ・ダクシオン(アンダンテ) |
第3幕 |
[2] |
第20曲:ハンガリーの踊り(チャールダーシュ、モデラート・アッサイ) |
[3] |
第5曲b:パ・ド・ドゥ(テンポ・ディ・ヴァルス〜アンダンテ〜テンポ・ディ・ヴァルス〜アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ) |
[4] |
第24曲:情景(アレグロ) |
第4幕 |
[5] |
第27曲:小さな白鳥たちの踊り(モデラート) |
[6] |
第29曲:終幕の情景(アンダンテ〜アレグロ・アジタート) |
[詳細]
スティーヴン・スタリーク(ヴァイオリン・ソロ)[第2幕 第13曲e パ・ダクシオン、第3幕 第5曲 パ・ド・ドゥ]
ティボール・デ・マヒューラ(チェロ・ソロ)[第2幕 第13曲e パ・ダクシオン]
フィア・ベルゴー(ソロ・ハープ)[第2幕 第13曲e パ・ダクシオン]
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮:アナトール・フィストゥラーリ
録音 |
1961年2月22〜23日、アムステルダム、コンセルトヘボウ |
LP初出 |
モノラル盤:LXT 5648 ステレオ盤:SXL 2285(1961年10月) |
日本盤LP初出 |
モノラル盤:LY 5019(1962年4月)ステレオ盤:SLC 1093(1962年5月) |
オリジナル・レコーディング |
[プロデューサー]レイ・ミンシャル
[レコーディング・エンジニア]ゴードン・パリー、ケネス・ウィルキンソン |
※製品の仕様、外観などは予告なく変更されることがありますので、予めご了承ください。
商品画像は、代表画像をイメージとして掲載している場合がございます。必ずしも商品名の画像と一致しているわけではございません。また、商品の仕様・パッケージ等につきましては予告なく変更される場合もございます。あらかじめご了承をお願いいたします。
オーディオ逸品館に掲載しています商品は他の逸品館販売サイト、実店舗と在庫を共有し同時販売しています。ご注文のタイミングによっては「在庫有り」表記の場合であっても欠品が発生する場合もございます。
万が一当社在庫およびメーカー在庫共に在庫切れの場合、お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、その際はご連絡の上、ご注文をキャンセルさせていただく場合もございます。何卒ご了承くださいますようお願いいたします。