同価格のAIRBOW SA12 OSE Masterとは異なる魅力を持つCD専用プレーヤー
特徴
■AIRBOW VRDS701 Specialの開発目標
簡略すればVRDS-701は、VRDS-701TとUD-701を足して2で割ったようなモデルになります。すでにAIRBOW VRDS701T Specialの開発は終了していますし、搭載されるメカニズム・ユニット自体はVRDS-701Tとまったく同じなのでチューニングは簡単に進むと思ったのですが、DAC部の回路がUD-701とは電源トランスを含め構造がまったく異なっていたため、開発は思ったよりも難航しました。
比較的回路構成が近いAIRBOW VRDS701T Specialと類似のチューニングにより「トランスポーターの品質(デジタルアウトの音質で確認)」は、AIRBOW VRDS701T Specialの70〜80%程度まで改善できました。数割のマイナスが生じるのは、トランスポーター専用機として作られているAIRBOW VRDS701T Specialのほうがより強力な電源回路などを採用しているためです。しかし、本機をトランスポーターとしてお使い頂いても、オリジナルVRDS-701TやAIRBOW PD505Tの音質を超えることは保証できます。
次に「VRDS-701 アナログ回路」の開発に取り組みました。音質の目標は、単体DAC「AIRBOW UD505X Specialを超えること」です。それを確かめるために「AIRBOW VRDS701 Special」を「AIRBOW UD505X Special」に「デジタルとアナログ」の両方で接続して「それぞれを聞き比べる」ことにしました。しかし、AIRBOW VRDS701 Special+AIRBOW UD505X Special「デジタル接続(AIRBOW VRDS701 Specialをトランスポーターとして使用)」の音質は、すでにちょっとした100万円クラスのCDプレーヤーを超えるくらいの音質に達しています。それを圧倒的する音質を「適価で実現する」のはとても難しい仕事になってしまいました。
なぜならば、コスト的にすべてのパーツを見直すことが許された2つのトランスポーターに比べ、さらにディスクリートDACを搭載するVRDS-701は部品点数が多く「すべてのパーツを交換」すると売価が高くなりすぎるために「必要最小限のパーツ交換で最高音質を実現」しなければならないからです。「パーツを交換しては元に戻し、また異なるパーツに交換しては元に戻す」という分解組み立て試聴を繰り返すと、比較的早く「目標の95%」くらいまでの音質には到達しました。
しかし、完全にはその仕上がりに納得できません。なぜならば、いつの間にかその目標が「AIRBOW VRDS-701T Special + AIRBOW UD-701 Specialの組み合わせが発揮する音質に出来るだけ近づくこと」に変わっていたからです。
気が遠くなるほどの試行錯誤を繰り返す間に何度も「100点に達した」と感じることがありました。また、最終一段前のプロトタイプを「Esoteric 佐伯氏」に聞いてもらったときも「これはヤバいんじゃない?Esotericの立場がないよ」というコメントまで頂戴しました。ハイエンド・オーディオマニアの友人も高い評価をくれました。その音で発売しても良かったのですが、私はまだ少し納得ができません。AIRBOW VRDS701T SpecialとAIRBOW UD701 Specialの組合せのスゴイ音が頭から離れなかったからです。
■AIRBOW VRDS701 Specialの魅力
数日頭を冷やし、チューニングの過程で「メリハリが強くなりすぎる」という理由で取り外していた4個の小さなパーツを元に戻してみました。するとどうでしょう気持ちのモヤモヤが「一気に晴れた」だけではなく、この価格帯で「絶対にありえない」と断言できるほどの高音質を発揮するようになりました。それは、CDの再生でSACDを超えるほどの高音質を実現する「トランスポーター部」に加え、この価格帯のCDプレーヤーではMarantzとTEACしか搭載していない「ディスクリートDAC」の良さを十分に発揮させられたからです。
AIRBOW VRDS701T Specialは、CD専用機ですがSACDを超えるほど音が細やかです。けれど、SACDにはない「音の分厚さ」と「生命力あふれる躍動感」を持っています。まるで「魂の咆哮」とでも表現したくなるような、すごいエネルギーを持っています。AIRBOWが求める「圧倒的な表現力」が実現したその音質は、いずれ「オリジナルとの比較」という形をとってYouTubeオーディオ逸品館チャンネルでご紹介させていただこうと思います。
AIRBOW SA12 OSE Masterとの違いは、それほど大きくありませんがCD専用機としての面目上「CDの再生」での「解像度やS/Nの良さ」では、AIRBOW VRDS701T SpecialがAIRBOW SA12 OSE Masterを上回ります。また、SA12 OSE Masterが持たない「外部クロック入力機能」や「各種音質設定機能」なども魅力となるでしょう。
シンプルに「ディスクを良い音で楽しみたい」とお考えなら、AIRBOW SA12 OSE Masterを、USB入力を含め「よりオーディオ的に発展させたい」とお考えならAIRBOW VRDS701T Specialをお選び下さい。
音質評価
■せせらぎ
AIRBOW VRDS701T Specialをデジタル接続したときの音と音調はまったく変わりませんが、細やかさや厚みが増して「表現力が数割以上向上」して感じられます。
水音は滑らかで鳥のさえずりには「命」を感じます。音が大きく広がり、空気感の素出も濃密で自然。
目を閉じれば、目の前には「のどかなせせらぎ」が流れています。
■バッハ・バイオリンソナタ(リザ・フェルシュトマン)
バイオリニストが、バイオリンを「愛でるように奏でている」と感じられるほど、デリケートな音の変化まできちんと再現されます。弓を動かし始めたところ、ゆっくりと止めるところ、そういう部分の「弓使いの速度変化」がとても細やかに再現されます。
クラシックで必要な「音色の変化」が驚くほど細やかに再現されますが、それは従来「デジタルのもっとも苦手」としていた部分です。いわゆる「デジタルチックな音」とは、まったく無縁の滑らかで暖かい「アナログディスク」を彷彿とさせるような濃い音でバイオリン・ソナタが聞けました。
■モナリザ(グレース・マーヤ)
イントロのギターの音がとても「甘く」官能的です。ボーカルには、さわやかな色気を感じます。
弦を弾く「アタック感」、響きが消えるまでの「時間の流れ」が驚くほど濃密です。
しばらく聞いていると、演奏に完全に引き込まれてしまいます。オーディオファンが知っている「TEAC/Esoteric」のどちらかといえば無機的で機械的な音とは、正反対の有機的で滑らかな音でモナリザが豊かに鳴りました。
■音質評価総評
CDトランスポーター「AIRBOW VRDS701T Special」の優れた持ち味を、TEACオリジナルディスクリートDACが引き出します。CDの再生から「SACDを超えるほどの細やかさ」とレコードを彷彿とさせる「熱さ」を引き出します。今までお使いのCDプレーヤーとは、次元の違う世界のサウンドでCDを鳴らしてくれる、音楽ファンに自信を持ってお勧めしたい「最高の音楽プレーヤー」に仕上がりました。
コンプリートパッケージについて
AIRBOWは本体単品のご使用でも驚くほどの音質を実現しますが、「究極のサウンド」をこの価格で実現するために音質チェック済で相性も抜群なアクセサリーなどをセットにし、それぞれ単品でご購入いただくよりもお買い得になるのがAIRBOWのコンプリートパッケージです。
こちらのモデルは、電源ケーブルに「AET EVO-1302S AC V2/1.2m/電源ケーブル」をセットにしたコンプリートパッケージ1と、さらに「AET EVO-1302S AC V2/1.2m/電源ケーブル」に加え「AIRBOW MSU-X TENSION2/0.95m/RCAケーブル」もセットにしたコンプリートパッケージ2をご用意しております。
ノーマルモデルからのバージョンアップについて
ノーマルモデルのTEAC VRDS-701から、AIRBOW VRDS701 Specialへのバージョンアップは、逸品館での購入他店での購入を問わず承ります。
・逸品館購入品からのバージョンアップの場合「メーカー保証+AIRBOW品質保証」はそのまま引き継がれます。
・逸品館購入品以外の場合「保証期間はバージョンアップから3ヶ月(バージョンアップ部分のみの保証)」となります。
※バージョンアップ前の点検で異常が発見された場合、バージョンアップサービスはお受けできませんので予め御了承ください。
※バージョンアップ代金など詳細は 【AIRBOWバージョンアップサービスについて】をご覧ください。
仕様説明
再生可能ディスク |
オーディオCD、CD(CD-R/CD-RW対応)※8cm CDは再生できません |
周波数特性 |
5Hz〜80kHz(+1dB、–6dB) |
S/N比 |
108dB(A-weight、1kHz) |
全高調波歪率 |
0.002%(1kHz、LPF:20Hz〜20kHz) |
アナログ音声出力 |
XLR端子 × 1系統、RCAピン端子 × 1系統 |
デジタル音声入力 |
USB-C端子 × 1(USB2.0以上)、同軸デジタルRCA端子 × 1、角形光デジタル端子(TOS)× 1 |
デジタル音声出力 |
同軸デジタルRCA端子 × 1、角形光デジタル端子(TOS)× 1 |
ヘッドホン出力 |
6.3mm ステレオ標準ジャック(金メッキ) × 1 |
クロックシンク入力 |
10MHz(BNC端子・50Ω) |
電源 |
AC100V、50/60Hz |
消費電力 |
20W |
待機時消費電力 |
0.4W |
サイズ |
444(W)× 111(H)× 333(D)mm(突起部を含む) |
質量 |
11.1kg |
付属品 |
電源コード、リモコン(RC-1338)、フット用クッション*3、取扱説明書 |
※仕様の詳細につきまして、ベースモデルの仕様をご覧ください。
※製品の仕様、外観などは予告なく変更されることがありますので、予めご了承ください。
商品画像は、代表画像をイメージとして掲載している場合がございます。必ずしも商品名の画像と一致しているわけではございません。また、商品の仕様・パッケージ等につきましては予告なく変更される場合もございます。あらかじめご了承をお願いいたします。
オーディオ逸品館に掲載しています商品は他の逸品館販売サイト、実店舗と在庫を共有し同時販売しています。ご注文のタイミングによっては「在庫有り」表記の場合であっても欠品が発生する場合もございます。
万が一当社在庫およびメーカー在庫共に在庫切れの場合、お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、その際はご連絡の上、ご注文をキャンセルさせていただく場合もございます。何卒ご了承くださいますようお願いいたします。