レコードを聴くことは、触覚的な体験です。
アルバムジャケットを丁寧に開き、インナースリーブからレコードを取り出し、 ホコリやキズがないかを確認し、プラッターの上に置いて、ゆっくりと針を落として音を出す。
『V10』は、この瞬間をより意味深い、特別な体験にします。
音楽再生には様々な手段があり、利用可能なオーディオフォーマットもかつてないほど増えています。
Hegel 社の設立当初からの重要なコンセプトは、すべての製品で歪みの少ない、より自然な音を実現するために限界に挑戦することでした。近年、デジタルオーディオは絶えず発展し続け、Hegel は常にデジタルメディアの音質を向上させるために新しい革新的な技術を導入しています。
アナログレコードの復活にともない、多くのオーディオファイルが、デジタルオーディオ再生の対極に位置するアナログレコード再生のためのフォノイコライザーアンプを作ることを勧めてくれました。
しかし、Hegel は他の製品開発を優先せざるを得ず、何年も先送りしていました。 またフォノフォノイコライザーアンプは、Hegel 社の社長でチーフデザイナーでもあるベント・ホルター氏(Bent Holter)が90 年代半ばにHegel 社のアンプのために計画していた経緯があるため、いつも心苦しく思っていました。
それ故、最終的な製品開発が決定すると、ホルター氏は設計に非常に情熱を傾けまた。当初の計画では、比較的シンプルで安価なものから始めることになってましたが、ホルター氏は様々な楽しみと可能性を見い出し、だんだん大きなプロジェクトになっていきました。
ホルター氏の言葉を借りれば、“この素晴らしいアイデア、あの素晴らしいアイデアを取り入れないのは、あまりにも辛い。正しい方法で作らないのであれば、なぜわざわざ作る必要があるのだろうか”
この熱意は会社全体に波及していきました。ホルター氏は、アナログオーディオの知識と経験を活かして、いつものように舵取りをしましたが、このプロジェクトは特別なものであり、V10 開発はスタッフ全員の意見を取り入れたグループワークとして進められました。
V10 では、古い教科書的なソリューションを真似たり、既製の回路を使ったりしていません。言い換えれば、古くからある技術に全く新しいアプローチを取り入れています。30 年にわたる最先端のディスクリート・トランジスタ回路設計の増幅に関するあらゆる知識と経験とノウハウを駆使して、最初から理論的なアプローチをとって他に類を見ないフォノイコライザーアンプを作り上げました。
V10 は、最新のディスクリートアンプを用いて一から作られた純粋なヘーゲル製品です。その結果、Hegel のアンプやDAC でおなじみのサウンドシグネチャー、すなわちニュートラルでダイナミックなディテールの表現力、、そしてレコードならではのサウンドステージとイメージングを兼ね備えたフォノステージが誕生しました。
適切なカートリッジを使用すれば、V10 が良質なレコード盤から引き出すことのできるディテールのレベルは、まさに息を呑むような美しさです。
ここまでの道のりは非常に長いものでしたが、最終的には私たち全員で歩んできたものであり、非常に誇りに思っています。 ここにHegel 初のフォノステージ、Hegel V10 が登場しました。
特徴
- シャーシは2 つのコンパートメントに分かれており、電源と高感度増幅回路を物理的に分離しています。この2 つのコンパートメントの間には、検出可能な干渉は一切ありません。
- ハイクオリティーな接続のために、金メッキ端子、バランスXLR 出力、しっかりとしたカスタム・グラウンデド端子が装備されて います。
- 重要なインプットステージには、MM(Moving Magnet)入力とMC(Moving Coil)入力の両方に、超低ノイズのディスクリート JFET トランジスタを採用しています。
- 特に感度の高い低出力のMC カートリッジを使用する場合、外部ノイズの除去が特に重要です。そのため、MC 入力には4 個の JFET トランジスタを並列に接続しています。 これにより、外部ノイズの影響から解放され、入力は完全に無音となり、カートリッジコイルへのバイアス電流のフィードバックもな くなります。結果、これまでにない透明感とサウンドイメージを提供します。
- 次に入力信号は入力段同様にノイズフリーのゲインステージに送られます。、MM とMC の両ゲインステージには、信号ノイズを最 小限に抑えるために、ディスクリート・バイポーラ・トランジスタを用いた超低ノイズ電源を使用しています。これにより、ターンテー ブルからの入力信号を極めて正確に増幅することができます。
- MM カートリッジを使用する場合は、キャパシタンス(静電容量)を47 〜 367pF の間で、MC カートリッジを使用する場合は、負 荷インピーダンスを50 〜 550 Ωの間で自由に設定できます(100 Ωと300 Ωは、リアパネルのスイッチで切り替え/それ以外の値は 内部の半固定抵抗で設定)。
- MM、MC ともにゲインを5dB、10dB、12dB のいずれかに設定できます。
- 不要な低周波ノイズを除去するサブソニック・フィルターが搭載されています。
- また、夜の終わりのリスニング・セッションで就寝時間を過ぎてしまい、V10 の電源を切るのを忘れてしまった場合、調整可能なオー ト・スタンバイ機能がそれを代行してくれます。
- V10 が最高の状態で動作できるように、リニアで低ノイズのアナログAC 電源を採用しています(アダプター形式の専用外部電源ト ランス)。この電源には干渉の可能性を排除するために専用のハウジングに収められた、カスタム設計の大型EI コア・トランスが搭載 されています。2 系統の出力を備え、左右の回路に独立して電源を供給します。
仕様説明
アンプのタイプ |
超低ノイズ・ディスクリートJFET トランジスタ入力段(MC/MM 共通) |
ゲインXLR 出力MM |
40dB/45dB/50dB/52dB |
ゲインXLR アウトMC |
60dB/65dB/70dB/72dB |
ゲイン RCA アウトMM |
34dB/39dB/44dB/46dB |
ゲイン RCA アウトMC |
54dB/59dB/64dB/66dB |
MC 負荷インピーダンス |
50 〜 550 Ω |
MM 負荷容量 |
47pF /100pF / 147pF / 220pF / 267pF / 320pF / 367pF @ 47 k Ω |
サブソニックフィルター |
オン/ オフ切替可能、-3dB at 20Hz、-18dB オクターブ |
RIAA の精度 |
+/- 0,2dB / 20Hz - 20kHz |
出力ノイズ |
-84dB/MM ("A" weighted ref: 0dBV), -81dB/MC("A" weighted ref: 0dBV) |
出力インピーダンス |
XLR / RCA:200 Ω |
チャンネルクロストーク |
-84dB @1kHz 0dBV |
周波数応答 |
2Hz - 20kHz |
歪み(THD) |
MM: < 0.005% @1kHz 0dBV |
歪み(THD) |
MC: < 0.009% @1kHz 0dBV |
入力端子 |
1 x アンバランス(RCA)MM、1 x アンバランス(RCA)MC |
出力端子 |
アンバランス固定(RCA)× 1、バランス固定(XLR)× 1 |
電源アダプタ |
ヘーゲル社製専用電源アダプターM301033 |
脚付き寸法 |
6cm × 21cm × 28cm(高さ×幅×奥行き) |
重量 |
2,2kg |
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