時代を超えて蘇った、新開発のV.R.D.Sメカニズムを搭載した、
ティアック渾身の70周年記念モデル。
VRDS-701は新開発のV.R.D.SメカニズムとTEACオリジナルディスクリートDACを搭載したCDプレーヤーです。
V.R.D.S(Vibration-Free Rigid Disc-Clamping System)は、CDを同径のアルミニウム製ターンテーブルでクランピングし、慣性質量を増大させることで回転振動や不要振動を低減させるTEAC独自のCDドライブメカニズムです。また、音質の要となるDAC部には、汎用DAC ICを使わず、独自のアルゴリズムを盛り込んだディスクリート回路で構成した、TEAC ΔΣ ディスクリートDACを搭載しました。VRDS-701は、単なるCDプレーヤーにとどまらず、MQAフルデコード機能によるMQA CDの再生や、USBDACとしてDSD22.5MHz、PCM 384kHz/32bitに対応するなど、今までのCDプレーヤーの枠にとどまらない、次世代のCDプレーヤーとしての機能を兼ね備えています。
特徴
放送局用として長年の実績を持つ自社開発ドライブをベースに、ティアック伝統の V.R.D.S 技術を融合させました。
■新開発のV.R.D.Sメカニズム
V.R.D.S(Vibration-Free Rigid Disc-Clamping System)
CDを同径のアルミニウム製ターンテーブルでクランピングし、慣性質量を増大させることで回転を安定させ、ディスク自身の回転振動やメカニズムの不要振動を低減させるティアック独自のCDドライブメカニズムです。ターンテーブルでディスクの反りや歪みを矯正し、ピックアップとディスクピット面の相対光軸制度を向上させることにより、サーボ電流を低減。これにより、ディスクの読み取りエラーの減少と優れた音質を実現します。
V.R.D.S を支える ブリッジ部
ターンテーブルを支えるブリッジは、軽量、高剛性かつ共振のない素材を厳選し、素早く自然に振動を収束させることで、広がりのあるダイナミックなサウンドを実現しました。樹脂製のトラス構造のブリッジは片側だけが固定されており、CDメカニズムの振動がブリッジを伝わって反対側に伝播することを抑制し、メカニズム全体の不要な共振を抑えています。
セミフローティングマウント
CDメカニズム全体をサブシャーシにセミフローティング状態でマウントし、CDメカニズムとシャーシ間の振動の伝達をコントロールすることで、共振の影響を排除し、全帯域において自然な再生音を実現しました。モーターの振動をメインシャーシから遮断することで、シャーシ内での振動の共振を防ぎ、同時に外部振動からCDメカニズムをアイソレート。また、外部振動からもCDメカニズムをアイソレートすることで、読み取り精度を向上させています。
■TEAC ɅƩ(デルタシグマ)ディスクリートDAC搭載
音の決め手となるDAC部分には、汎用DAC ICを使わず、独自のアルゴリズムを盛り込んだFPGAによるディスクリート回路で構成した、TEAC ΔΣ ディスクリートDACを搭載しました。DSDはそのままに、PCMはΔΣ モジュレーターを通して1bit信号に変換したのち、高音質アナログ信号として出力されます。ディスクリートだからこそ実現できる広大で澄み渡る音場表現はTEACが求めていたサウンドの到達点と言える仕上がりです。TEAC ΔΣ ディスクリートDACでは、DSD22.5MHz、PCM 384kHz/32bitの再生が可能です。
■デュアルモノーラル構成
電源回路、D/Aコンバーター部、アナログ出力段に至るまで一貫したデュアルモノーラル構成の贅沢な回路を採用しました。それぞれのチャンネルがモノーラルで完結する回路を2系統持つデュアルモノーラル構成はL/R信号によるお互いの干渉を防ぎ、音場感や立体感など豊かな音楽表現を実現します。
■全段フルバランス伝送
L/Rそれぞれのアナログ出力信号をD/A変換後から最終出力段までフルバランス伝送することで、S/Nの向上やダイナミックレンジの拡大に大きく寄与。よりピュアな状態でハイレゾ音源の持つ空気感を余すことなく伝えます。
■TEAC-QVCSを搭載しパワーアンプへの直結も可能に
フルバランス構成のアナログ可変ゲインアンプ型アッテネーターTEACQVCSを搭載したことで、プリアンプを使わずにパワーアンプへ直接接続して使用できます。『TEAC-QVCS』(Quad Volume Control System)は、左右・正負(L+、L-、R+、R-)に独立した4回路構成の可変ゲインアンプ型ボリュームで、理論上のギャングエラーを排除し、-95dBから+24dBまで0.5dBずつの非常に細かいアナログ音量調節が可能です。バランス/アンバランス2系統のアナログ出力は、固定または可変出力を選択できます。
■MQA フルデコーダーを搭載によりMQA CDを再生可能
MQA(Master Quality Authenticated)は、スタジオのマスタークオリティをありのままに再生するための高音質オーディオコーデックです。VRDS-701は、より原音に忠実なアナログ波形を得るために最小5マイクロ秒の精度でD/A変換された波形をコントロールするMQAデコーダーを搭載。急な音の立ち上がりなど音圧差が極端に大きな箇所で発生しやすい『音の滲み』を大幅に低減することで、人間の聴覚上、原音に近い再生音を得ることができます。MQAフルデコーダーを搭載したことで、MQC-CDをお楽しみいただくことはもちろん、デジタル入力からのMQAデータのデコードが可能となり、USB DACとしてPCからMQAファイルを再生することも可能です。
■USB DACとしてDSD22.5MHz、PCM 384kHz/32bitの再生が可能
デジタル入力としてUSB Type-C端子を装備。PCとUSB接続することでUSB DACとして使用可能で、たんなるCDプレーヤーとしてだけではなく、ハイレゾ音源によるPCオーディオの世界もお楽しみいただけます。
■RDOT-NEOによる2xFs/4xFs/8xFsへのアップコンバート機能
デジタルオーディオ信号を滑らかに補完する『RDOT-NEO』(Refined Digital Output Technology NEO)により、PCMデジタル信号を2xFs/4xFs/8xFs(最大384kHz)にアップコンバートする機能を搭載しました。RDOTは、フルエンシー理論による類推補完技術を応用して、44.1kHz/16bitのCDフォーマットから失われてしまった20kHz以上の周波数の再生を可能とするために開発された技術です。CDから読み取った情報をもとに、波形サンプルとサンプルの間の情報を類推により生成し、結果として20kHzを超えるデータを生成します。
■10MHz外部クロック入力
外部クロック同期用に10MHzのクロック入力を装備。本体再生時の音質向上に加え、クロックジェネレーターによるシステム全体の同期が可能となります。
■高精度44.1kHz系、48kHz系の低位相雑音デュアルクロック
CD再生用の44.1kHz系はもちろん、USB DACとしてPCからのファイルを再生する際に必要な48kHzのクロックも低位相雑音タイプの高精度水晶発振器を搭載。
■3基の大容量トロイダルコアトランスで電源を強化
アナログ信号用のトライダルコアトランスに加え、デジタル制御部とCDメカニズム部それぞれに独立した大容量トロイダルコアトランスを用意。合計3基のトロイダルコアトランスにより安定した電流供給をおこなうことで、瞬間的な音の立ち上がり、立ち下りを克明に表現することができる、優れた音のリニアリティを実現しています。トランスはそれぞれサブシャーシにマウントされており、振動をコントロールしています。
■電流伝送強化型出力バッファーアンプ『TEAC-HCLD 2』回路
アナログ出力回路にとって重要な電流伝送能力を高める電流伝送強化型バッファーアンプ『TEAC-HCLD 2』回路を搭載しました。電流伝送能力の高いダイヤモンドバッファーアンプをラインドライバーとして片チャンネルあたり正負2回路構成とし、バランス出力の場合はディファレンシャル(差動)、アンバランス出力の場合はパラレル(並列)で駆動。電流供給能力を高めることで、音楽信号が持つダイナミズムを余さず伝えることが可能となります。
■ヘッドホンアンプ
電流伝送強化型の出力ラインドライバーと同等の低歪、高S/N、2000V/usの高スルーレートを持つ高出力回路をヘッドホンアンプの駆動専用に搭載。お使いのヘッドホンのポテンシャルを引き出します。
■安定したデータ転送が可能なUSB伝送技術「Bulk Pet」
USB ケーブルでハイレゾ音源の膨大なデジタルデータを送る場合、従来のアイソクロナス転送では送信側のパソコンと受信側のUSB DACの双方に処理負荷の大きなムラが発生し、音途切れなどの問題が発生する可能性がありましたが、このUSB伝送技術「Bulk Pet」により一定のデータ量をコンスタントに転送するため、双方の処理にかかる負荷を平均化することにより安定したデータ転送が実現しました。パソコンの負荷状態が変わることで音質も変化するため、あらかじめ設定された4種類の転送モードからお好みの音質を選ぶことも可能です。
■徹底した制振設計
振動の起きやすいトランスは底板から浮かせたフローティング構造を採用。放熱用のサイドフィンは、共振を排除するため各フィンの長さも1枚ずつ異なる長さに調整されています。
■スチール削り出し独自構造の3点支持ピンポイントフット
アナログ信号用のトライダルコアトランスに加え、デジタル制御部とCDメカニズム部それぞれに独立した大容量トロイダルコアトランスを用意。合計3基のトロイダルコアトランスにより安定した電流供給をおこなうことで、瞬間的な音の立ち上がり、立ち下りを克明に表現することができる、優れた音のリニアリティを実現しています。トランスはそれぞれサブシャーシにマウントされており、振動をコントロールしています。
■他の機器と連動可能なコントロール端子
他の機器と電源を連動可能なトリガー入出力端子を装備。
■『TEAC HR Audio Player』を無償提供
DSD 22.5MHz、PCM 384kHz/32bitといったハイレゾ音源を簡単にWindowsやMacintoshパソコンから再生できる無料の専用ソフトウエアをご利用いただけます。ソフトウエアを立ち上げてUSBケーブルで接続したVRDS-701を選択するだけで、確実に最良の条件でデジタルオーディオデータを転送。専用ソフトウエアのためUSBオーディオ設定時におけるトラブルの心配がありません。
仕様説明
■仕様
再生可能ディスク |
オーディオCD、CD(CD-R/CD-RW対応)※8cm CDは再生できません |
周波数特性 |
5Hz 〜 80kHz(+1dB/-6dB) |
S/N 比 |
108dB(A-weight、1kHz) |
全高調波歪率 |
0.002%(1kHz、LPF:20Hz〜20kHz) |
アナログ音声出力端子 |
XLR端子 1系統(L/R)、RCA端子 1系統(L/R) |
最大出力レベル |
2.0Vrms (1kHz、フルスケール、10kΩ負荷時、固定 0dB設定時)
4.0Vrms (1kHz、フルスケール、10kΩ負荷時、固定 +6dB設定時)
XLR:12Vrms (1kHz、フルスケール、10kΩ負荷時、可変設定時)
RCA:6Vrms (1kHz、フルスケール、10kΩ負荷時、可変設定時) |
出力インピーダンス |
XLR:220Ω
RCA:180Ω |
■デジタル音声入力 |
USB |
1(Type-C端子、USB2.0以上) |
(対応フォーマット) |
PCM、32/44.1/48/88.2/96/176.4/192/352.8/384kHz、16bit、24bit、32bit
DSD 2.8/.6/11.2/22.5MHz |
同軸デジタル(COAXIAL) |
1(入力レベル 0.5Vp-p、入力インピーダンス 75Ω) |
(対応フォーマット) |
PCM、32/44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz、16bit、24bit
DSD 2.8MHz |
光デジタル(OPTICAL) |
1(入力レベル -24.0 〜 -14.5dBm peak) |
(対応フォーマット) |
PCM、32/44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz、16bit、24bit
DSD 2.8MHz |
■デジタル音声出力 |
同軸デジタル(COAXIAL) |
1(入力レベル 0.5Vp-p、入力インピーダンス 75Ω) |
光デジタル(OPTICAL) |
1 TOS(JEITA RC5720C) |
■ヘッドホン出力 |
端子 |
6.3mm ステレオ標準ジャック×1 |
実用最大出力 |
500mW + 500mW(32Ω負荷時) |
■クロックシンク入力 |
端子 |
BNC端子 (金メッキ) × 1 |
入力周波数 |
10MHz |
入力インピーダンス |
50Ω |
入力レベル |
矩形波:TTL レベル相当
サイン波:0.5〜1.0Vrms |
■外部コントロール |
トリガー入力(12V TRIGGER IN) |
1(3.5mm モノラルミニジャック) |
入力レベル |
12V、1mA |
トリガー出力(12V TRIGGER OUT) |
1(3.5mm モノラルミニジャック) |
出力レベル |
12V |
最大供給電流 |
100mA |
■総合 |
電源 |
AC 100V(50/60Hz) |
消費電力 |
40W |
待機時電力 |
0.4W(スタンバイ時) |
外形寸法(W x H x D、突起部を含む) |
444 x 111 x 333 (mm) |
質量 |
11.1kg |
付属品 |
電源コード×1、リモコン(RC-1338)×1、リモコン用乾電池(単4)×2、フット用クッション×3、取扱説明書(保証書付き)×1 |
メーカー保証 |
1年 |
※製品の仕様、外観などは予告なく変更されることがありますので、予めご了承ください。