MODEL 10 Reference Integrated Amplifier(リファレンス・プリメインアンプ)
アンプ・デザインの新たなリファレンス
新開発のデュアルモノ・シンメトリカルClass Dパワーアンプと、さらに高音質化されたHDAM採用の
フルバランス・プリアンプを搭載する、マランツ史上最も高音質なプリメインアンプ
■Key Features
- ・新開発のデュアルモノ・シンメトリカルClass Dパワーアンプ
PURIFIとの共同開発による高音質Class Dパワーアンプ。マランツのプリメインアンプ史上最高の500W x 2(4Ω)出力
- ・さらに高音質化されたHDAM採用のフルバランス・プリアンプ
最新型のHDAMおよびHDAM-SA3を使用したフルバランス・ゲイン可変型プリアンプ
- ・プリアンプおよび左右のパワーアンプそれぞれ専用の強力な電源回路を搭載
プリアンプ専用トロイダルトランス&カスタム・ブロックコンデンサー、独自設計のパワーアンプ用SMPS x 2
- ・プレミアムな質感と高音質を両立させるエクステリア・デザイン&コンストラクション
肉厚のアルミ削り出しパネル、非磁性体のステンレス製メッシュ構造、3層構造の底板、銅メッキシャーシ
- ・Marantz Musical Premium Phono EQ
MM/MC対応の高音質Phonoイコライザを搭載。MCはLow/Mid/Highでインピーダンス設定が可能
- ・2台のMODEL10によるコンプリート・バイアンプ・ドライブに対応
左右のスピーカーそれぞれ1台のMODEL10で駆動することによりチャンネルセパレーションを最大化
特徴
■新世代のマランツデザイン
MODEL 10は、マランツ史上最もパワフルで、最も高音質なプリメインアンプです。マランツのエンジニアリング・チームとサウンドマスターが、これまでの歴史の中で培ってきた電気設計、機構設計、そしてサウンドチューニングのノウハウのすべてを駆使し、数え切れないほどの時間を費やして完成させたリファレンス・プリメインアンプMODEL 10には、既存の製品をベースに改良を加えたものではなく、最新のテクノロジーと最高グレードのパーツが惜しみなく投入された、まったく新しいコンストラクションおよび回路構成が与えられています。プリアンプ、パワーアンプ共に完全なバランス回路で構成されています。パワーアンプには新開発のデュアルモノ・シンメトリカルClass Dパワーアンプを搭載しており、一体型のプリメインアンプでありながら、プリアンプ・ブロックとパワーアンプ・ブロックは筐体内で完全に分離されています。さらに電源回路についても独立したプリアンプ専用電源回路と2つのパワーアンプ用スイッチング電源回路を搭載することにより、回路間および左右チャンネル間の相互干渉を徹底的に排除し、セパレートアンプに匹敵する低歪みとチャンネルセパレーションを実現しています。
ステレオ・プリメインアンプ「MODEL 30」とネットワークSACDプレーヤー「SACD 30n」を嚆矢として、2020年にスタートしたマランツプロダクトのリデザインを締めくくるにふさわしい美しさと堅牢さを兼ね備える筐体に収められたMODEL 10は、卓越したサウンドだけにとどまらない最高のリスニング・エクスペリエンスをお届けします。
■新開発のデュアルモノ・シンメトリカルClass Dパワーアンプ
マランツがHi-Fiオーディオカテゴリーの製品にClass D方式のパワーアンプを採用したのは2015年。コンパクトなサイズの「HD-AMP1」がその始まりです。以来、プリメインアンプのフラッグシップモデル「PM-10」や、新世代のマランツを象徴する新しいデザインと完全新設計のシャーシを与えられた「MODEL 30」、そしてマルチチャンネルパワーアンプであっても一切の妥協を許さずHi-Fiクオリティを突き詰めた16chパワーアンプ「AV 10」に至るまで、マランツはClass Dパワーアンプを上級モデルに採用し続け、技術とノウハウを蓄積し、そのパフォーマンスを引き上げてきました。MODEL 10の設計には、この過程で培われたClass Dアンプ開発にまつわる回路設計技術やパーツ選定、サウンドチューニングのノウハウなど、あらゆる成果が活用されています。
MODEL 10のパワーアンプには、「PURIFI」との共同開発により生み出された、独自設計のデュアルモノ・シンメトリカルClass Dパワーアンプが搭載されています。サプライヤーの設計したモジュールを購入して製品に組み込むのではなく、パワーアンプおよびSMPS(スイッチング電源回路)の基板設計からパーツ選定まで、すべてを新規で行い、自社工場で作り上げることにより、マランツ独自のサウンドチューニングと優れた品質を実現しています。パワーアンプ回路は完全なバランス回路によるBTL接続で構成されており、その出力はマランツのプリメインアンプの歴史上最高となる500 W+500 W(4Ω)を達成しています。パワーアンプ回路のみならず、電源回路に至るまで完全に独立した2つのモノラル・パワーアンプによるデュアルモノ構成とすることで、セパレートアンプに匹敵する低歪み、チャンネルセパレーションを実現しています。
さらに、可聴帯域における周波数特性についても極めてフラットな特性を実現しています。また、この周波数特性は、接続するスピーカーの負荷インピーダンスに影響されることがないため、組み合わせるスピーカーに関わらず、優れたサウンドを再生することができます。
スイッチングアンプの入力直前に接続されている電圧増幅アンプには電流帰還型を採用。高性能なスイッチングアンプの性能を活かす為には、低ノイズ、低歪み、高スルーレート、低出力インピーダンスであることが高いレベルで求められます。そのために最新型のHDAM-SA3が‘投入されています。回路構成は従来と同一ながら、厳選された低ノイズ、低歪みのトランジスタを使用することでこれまで以上の高音質化を果たしています。
■さらに高音質化されたHDAM採用のフルバランス・プリアンプ
Audio Consolette、そして名機MODEL7を原点とするマランツのプリアンプ開発において受け継がれてきた哲学は「入力信号の鮮度をいささかも損なうことなく、パワーアンプに送り届けること」。アナログレコードからCD、スーパーオーディオCD、そしてハイレゾ音源へと再生されるソースが広がりを続ける現代においても私たちの根底にある哲学は変わることはありません。数値化可能なスペックの領域にとどまることなく聴感上のわずかな変化にまで徹底的にこだわり、原音再生を追求しています。MODEL 10においては、超高域に至るまでの優れたチャンネルセパレーション、音の実在感、そして広大かつ安定した空間表現力のためにフルバランス構成を採用しています。
高性能なステレオボリュームコントロールICと高音質化された最新型のHDAM+HDAM-SA3による電圧帰還型アンプ回路で構成された、デジタル制御の可変ゲインアンプによってボリュームを高精度に調節する「リニアコントロール・ボリューム」を搭載。-13dB以下の音量の範囲内ではプリアンプでの増幅を行わず、パワーアンプのみで増幅する可変ゲイン型とすることにより、大幅なノイズの低減を実現しています。さらに、機械式ボリュームでは構造上避けられない左右チャンネル間のクロストークや音量差が生じないため、定位の正確性および空間表現力を大きく向上させることができます。L/Rにそれぞれ1つのボリュームコントロールICを用いたバランス構成とすることによりチャンネルセパレーション、S/N比をさらに向上しています。可変抵抗体を使用していないため、ボリュームパーツの経年劣化に伴う音質の変化もなく、長期にわたり安心して使うことができます。DCサーボを採用したことにより、信号経路のカップリングコンデンサーが不要となり、より損失の少ない信号伝送が可能になりました。
MODEL 10に搭載される最新型のHDAMは、入力にJFETカスコードデバイスを追加することで、さらなる低歪み化を実現しています。トランジスタについても2素子が1パッケージ化された2 in 1パッケージのトランジスタを用いることで動作の安定性を向上させています。
RCA端子からの入力信号を変換するアンバランス―バランス変換回路にも最新型のHDAMおよびHDAM-SA3を用いた電圧帰還型回路を採用しており、変換に伴う音質の変化を最小化しています。
■プリアンプおよび左右のパワーアンプそれぞれに専用の強力な電源回路を搭載
電源回路についても独立したプリアンプ専用電源回路と2つのパワーアンプ用スイッチング電源回路を搭載することにより、回路間および左右チャンネル間の相互干渉を徹底的に排除し、セパレートアンプに匹敵する低歪みとチャンネルセパレーションを実現しています。
プリアンプ用のアナログ電源回路には、専用の銅メッキシールドケースを備えたトロイダルトランスを搭載。さらに、サウンドマスターと音質担当エンジニアがサプライヤーと試作と試聴を繰り返して共同開発した、マランツ専用のカスタム・ブロックコンデンサーやハイスピードな電源供給を可能にするショットキーバリアダイオードを採用しています。
パワーアンプ用のスイッチング電源回路には、Class Dパワーアンプ回路同様に自社設計による完全オリジナルのSMPSを搭載しています。基板上のレイアウト、個々のパーツの選定、放熱設計など、すべてを独自に開発することで、MODEL 10にとって理想的な電源回路とすることができました。大電流を伝送する純銅製のバスバーをはじめ、ここでもサウンドマスターが厳選したカスタムパーツ、高音質パーツがふんだんに使用されており、MODEL 10のハイパフォーマンスを支えています。
■プレミアムな質感と高音質を両立させるエクステリア・デザイン
マランツサウンドの特徴の一つである、どこまでも広がるようなナチュラルな空間表現を実現するために、これまでマランツはプレミアムモデルに非磁性体のアルミニウムトップカバーを奢ってきました。MODEL 10ではこの考え方をさらに進めて、非磁性体のステンレス製のメッシュ構造を採用しました。Waved Top Meshと呼ばれるこの新しいトップカバーは、意匠的な美しさだけを求めて作られたものではありません。従来の放熱孔を設けたアルミニウムトップカバーよりも大きな開口面積を備えており、高い放熱性はもちろん、さらに開放感に優れた空間表現を可能にします。筐体内にイルミネーションが配置されており、部屋の明かりを落とせば、美しく設計・レイアウトされたトロイダルトランスや回路基板、高品位なパーツを美しく浮かび上がらせます。
立体的なパターンが美しく刻まれたフロントパネルは、一塊の巨大なアルミニウム・ブロックを切削加工して作られたものです。その厚みは最大45mmに達するもので、これはハイエンド・オーディオコンポーネントとしての審美性を高めるだけではなく、振動が音声信号に与える悪影響を低減することにも大きく貢献しています。サイドカバーも同様に最大15.8mm厚のアルミニウム製として、フロントパネルとのマッチングを図るとともに、マランツのプレミアム製品の伝統に倣い、正面および側面からはネジが見えないようデザインされています。
メインシャーシには1.2mm厚の銅メッキ鋼板が用いられており、プリアンプ、パワーアンプ、電源回路をそれぞれ専用のスペースに隔離することで、回路間の干渉を排除しています。1.2mmのメインシャーシに3.2mmと1.2mmのボトムプレートを追加した3層構造とすることにより、圧倒的な高剛性を実現。アルミニウムの無垢材と銅板を組み合わせたハイブリッド型のインシュレーターと合わせ、33kgを超える大質量を堅牢な構造で支えています。
RCA端子には純銅削り出しのピンジャックを採用。スピーカーターミナルにも同様に純銅削り出しのスピーカーターミナル(SPKT-100+)を採用しています。一般的な端子に用いられる真鍮に比べて硬度が低く、機械加工の難しい純銅のブロックから熟練工が一つ一つ手作業で切削加工して生産される特注品です。銅は、銀に次ぐ極めて高い電気導電性を持ち、再生音に力強さと安定感をもたらします。表面処理はリスニングテストの結果、一般的に用いられるニッケル下地+金メッキの2層ではなく、厚みのある1層のニッケルメッキを採用しています。
■Marantz Musical Premium Phono EQ
MM型、MC型両方式のカートリッジに対応する「Marantz Musical Premium Phono EQ」を搭載。20dBのゲインを持つMCヘッドアンプと40dBのゲインを持つHDAM+HDAM-SA3の無帰還型フォノイコライザーアンプの2段構成を採用することにより、1段当たりのゲインを抑え、低歪みを実現しています。音声信号が通過する信号経路はすべてディスクリート回路により構成。JFET入力とDCサーボ回路によってカップリングコンデンサーを排除し、繊細な音声信号の純度を損なうことなく増幅します。MCカートリッジ用のインピーダンス切り替え機能を搭載しており、使用するカートリッジのインピーダンスに合わせて3つのポジション(33 / 100 / 300 Ω)から選択することができます。
プリメインアンプの中で最も繊細な信号を扱うフォノイコライザー基板は、1.2mmのボトムケースと銅色にアルマイト処理されたアルミニウム製のトップカバーでシールドされており、外来のノイズによる音声信号への影響を排除しています。
■電流帰還型ヘッドフォンアンプ
MODEL 10は、ヘッドフォン出力専用に電流帰還型のフルディスクリート・ヘッドフォンアンプを搭載しています。低インピーダンスのヘッドフォンであっても本来の性能を引き出すために出力インピーダンスを下げることに注力して開発され、HDAM-SA3とマランツの従来製品で定評のあるダイヤモンドバッファーを組み合わせた回路構成を採用しています。オペアンプを使用しないフルディスクリート構成とすることにより、きめ細かな音質チューニングを行っています。
■2台のMODEL10によるコンプリート・バイアンプ・ドライブに対応
最大4台(8チャンネル)までMODEL 10のボリュームを連動させることができるF.C.B.S.機能を搭載。複数のMODEL 10を使ったバイアンプドライブやマルチアンプドライブ、そしてサラウンドシステムの構築など、用途に応じて柔軟にシステムの拡張が可能です。例えば、バイワイヤリング対応スピーカーの高域、低域を1台のMODEL 10でドライブするコンプリート・バイアンプ・システムを構成することによりL/Rのチャンネルセパレーションを高め、定位の正確性、そして空間表現力をさらに高めることができます。
■その他の特徴
ソースダイレクト機能/プリアウト/RECアウト/パワーアンプダイレクト入力/トーンコントロール/左右バランス調整/フロントパネル・イルミネーション/高精細なOLEDディスプレイ/出力レベルメーター表示/ディスプレイの輝度調整機能/フラッシャーIR入力/CDプレーヤーの操作も可能なリモコン/リモートコントロール入出力(RC-5)/オートスタンバイ機能(15分)/着脱式電源コード
仕様説明
■オーディオ特性
定格出力 |
250 W + 250 W(8 Ω、20 Hz-20 kHz、T.H.D. 0.05 %)
500 W + 500 W(4 Ω、20 Hz-20 kHz、T.H.D. 0.05 %) |
歪率(THD+N,CCIF IMD,DFD IMD) |
0.005 %(20 Hz-20 kHz、2ch同時駆動時、125W、8Ω、AES 20 kHzLPF) |
周波数特性(CD、1 W、8 Ω) |
5 Hz - 60 kHz(±0 dB / -3 dB)
20 Hz - 20 kHz(±0 dB / -0.3 dB)
|
ダンピングファクター |
500 |
S/N比(IHF A、8Ω) |
PHONO(MC):76 dB(0.5 mV入力、1 w出力)
PHONO(MM):88 dB(5 mV入力、1 w出力)
BALANCED:122 dB(4V入力、定格出力)
LINE/RECORDER:122 dB(2V入力、定格出力) |
入力感度/入力インピーダンス |
PHONO(MC Low):400μV / 33 Ω
PHONO(MC Mid):400μV / 100 Ω
PHONO(MC High):400μV / 33 Ω
PHONO(MM):3.6 mV / 39 kΩ
BALANCED:700 mV / 36 kΩ
LINE / RECORDER:350 mV / 47 kΩ
POWER AMP BALANCED:3.16 V / 15 kΩ
POWER AMP UNBALANCED:1.58 V / 47 kΩ |
出力電圧/出力インピーダンス |
PREOUT BALANCED:3.17 V / 230 Ω
PREOUT UNBALANCED:1.58 V / 480 Ω |
PHONO最大許容入力(1 kHz) |
MC:8 mV、MM:80 mV |
RIAA偏差(20 Hz - 20 kHz) |
±0.5 dB |
トーンコントロール |
Bass(50 Hz):±10 dB / Treble(15 Hz):±10 dB |
■入出力端子
音声入力端子 |
バランス × 2、アンバランス × 3、PHONO(MM/MC) × 1、POWER AMP IN(バランス) × 1、POWER AMP IN(アンバランス) × 1 |
音声出力端子 |
PRE OUT(バランス) × 1、PRE OUT(アンバランス) × 1、RECORDER(アンバランス) × 1 |
その他入出力端子 |
F.C.B.S.入出力 × 1、リモートコントロール入出力(RC-5) × 1、フラッシャーIR入力 × 1 |
■総合
電源 |
AC 100V、50 / 60 Hz |
消費電力 |
270 W |
待機電力 |
0.1 W |
外形寸法 |
W 440 x H 192 x D 473 mm |
質量 |
33.7kg |
付属品 |
かんたんスタートガイド、取扱説明書、保証書、リモコン(RC004PMND)、単4形乾電池 × 2、電源コード |
メーカー保証 |
5年 |
※製品の仕様、および外観は、改良のため予告なく変更される場合があります。